【後編】東京は「再生資源の宝庫」~GOOD DEAL COMPANYの北村さんに聴いてみた

【後編】東京は「再生資源の宝庫」~GOOD DEAL COMPANYの北村さんに聴いてみた

ここ1年で状況が変わってきた

R:環境というのもやりたいことのキーワードとしておありだったのでしょうか

G:環境に対する気持ちの源泉は小学校4、5年生くらいの頃ですかね、
動物が好きで、当時、社会ですかね、地球の環境破壊の授業を受ける中で、
何かにつけて動物がその影響を受けているという事実に悲しくなりました。それをどうにかしたい、と。
環境破壊については、これまで関わってきた業界の中でも考えさせられることがありました。

R:SDGsなどの言葉はかなり浸透してきましたが、
SDGs、サステナブル、などのキーワードに対してどのようにお感じに
なられているかについてお教えください!

G:SDGs、エシカル、サステナブルなどはマーケティングワードという見方をしていまして、
言葉というよりは、概念が大事なのではないかと。
概念に目標だったり、いつまでにという期日を設けるのは難しいなと感じています。

R:どのような反応や、お声がけをいただくことが多いのでしょうか。
最近嬉しかったことも併せてお教えください!

G:最近はコルクをつかって、内装や什器などをというお話をいただいたりもします。
嬉しかったことでいうと、最近は出資などのサポートのお話もいただけるようなったことですね。
これまでビジネスになるのか、と言われ続けてきたわけですからね。
時代の移り変わりを特にここ1年くらいで感じるようになってきていますね。
経済合理性だけでは、会社の価値が測れなくなってきたのかもしれません。

R:事業を始められたことで、お気づきになられたこと、
お感じになられたことについてお教えください!

G:何かの課題解決について、●●しなさい、というアプローチではなく、
「楽しい」という感覚を持てるということが大事なことではないかと。
ヒトはやはりロジックでは動かないと思うんですよね。自分にとって楽しいかどうか。
何かを我慢しよう、ということもなかなか続きにくいんではないですかね。何かが得られる仕組みが必要です。
少し話は変わりますが、地産地消というキーワードを目にすることが増えましたが、
コルクは100%輸入なわけで、その希少な資源を国内でどのように循環させていくか、
当然、ウッドショックや半導体などもそうだと思いますが、不可抗力が働くこともあるので、
レジリエンスを高めておくことも重要です。私はアーバンサーキュラーと表現していますが、
都市にすでにある資源を活用するための仕組みづくりも大事です。

R:2030年がSDGsのゴールイヤーということで、世界共通の一旦の区切りとなる年
となるかと私は考えていますが、北村さんはどのように見ておられますか?

G:先ほどのお話と重複しますが、SDGsって、ある種倫理観かなとも考えていまして、
そこに対してゴールを設けることは難しいんですよね。
摂理という言葉があります。例えば、モノは壊れるし、命はやがてなくなる。そうやって、今に至るわけですよね。
ただそこに抗おうとしているのが、今の社会なのかなと。
自然の摂理と人間の摂理はトレードオフの関係にある気がしていまして、
そこのバランスはどうあるべきかというのは難しいですね。
SDGsに関して言うと、今とそこまで変わらないのでは、と考えたりもしています。
ポストSDGsのようなものができるかもしれませんね。
理想はその逆ですよね、世界中の人たちが幸せの最小公倍数を大きくできている状態。
どこかだけを大きくするということではなくて。
事業面でいうと、今より100倍のスケールにして、早くオフグリッドしたいです。

R:ロールモデルなどはいらっしゃるのですか

G:ZOZOの前澤さんが好きなんですよね、自分の好きな商売から初めて、
他の人ではできないようなことをできるようになった。
好奇心旺盛で等身大でいることに魅力を感じています。
行動が賛否をよんでいますが、人生楽しんだもん勝ちということを
示してくれていますね。

エッセンシャルコミュニケーター

R:北村さんは2030年にどのような状態だとハッピーでしょうか。

G:私は日本人はとてもいい国民性を身に着けていると感じています。
先日も、大阪に行った際に財布を無くしたんです。
帰りの電車賃どうしようかな、なんて考えていたんですが、
次の日に鉄道会社から連絡があり、すでに届けられていたんですよね。中身も何も取られていませんでした。
落ちていたものは届けなさいという教育の賜物ですよね。海外だと神様有難うと拾われると思いますw
内側にこんなにいいところがあるのに、グローバルで見ると、安い国になりつつある。
よくよく考えると、例えば、「もったいない」という日本の文化って、経済性を伴いにくいんですよね、
モノを長く使うわけなので、モノが売れなくなりますよね。ガンガン使って、ガンガン捨てた方が経済はまわります。
日本の在り方とは真逆ですが。

R:サーキュラーエコノミーについては、どのようにお考えですか

G:私はよく逆上がりに例えています、これまでの資本主義における経済という補助器具にひびが入り、
そこにそこにSDGs、サーキュラーという補助器具が登場しました、その補助器具が壊れたら
どうなってしまうのか、それを認識して、手の握り方でしたり、脚の使い方など、
外部ではなく、内部、つまりは自分たち自身を見直すいい機会だと。
補助器具自体をしっかりとつくる必要性はもちろんありますが、エデュケーションも必要です。
企業の中に、総務課のような形で、哲学課、倫理課などを置くべきだという考え方には賛同しますね。

R:今後の野望についてもお教えください!

G:コルクをスポーツ関係や、公共スペースでも使える物にしていくことです。
これまでプロダクトにすることで手に取ってもらい、暮らしの中で使ってもらい、
意識を高めてもらえるように動いてきました。
今以上にインパクトを出していくとなると、プロダクトだけではなくて、
企業や自治体との協業も必要になってくると考えています。

R:企業様には素材として提供されるイメージですか?

G:やはり餅は餅屋で、メーカーさんならではの観点等があると思うんです。
私が創るとなると、コースターやマットのような平面のプロダクトにしかなりませんでした。
素材が持つポテンシャルをメーカーさんの技術やアイデアで生かしてほしいんです。
無駄な手を加えない、ということはポイントにおいています。
無駄な手を加えるとリサイクルが難しくなってしまいますので。

R:私もアパレルアイテムを素材として活用する際にそれは感じました。
ファスナーなど、すべて手作業で時間がかかりましたね。。。

G:まさにおっしゃる通りで、今、協力していただいている、
蛍光管をリサイクルしてプロダクトづくりをしてくださっている企業様でも
全て手作業なんですよね、理由はシンプルで、形状がまちまちなため、自動化できないからです、
捨てる時までデザインされていないので、リサイクルするときに非常に手間がかかるんです。
プロダクトを生み出す際には、再利用のことも考えたいですよね。

R:北村さんのされていることを●●業、と表現するとすると、
何業になりますでしょうか。

G:エッセンシャルコミュニケーターです。
本質的に、いろいろなことを考えていきたいです。摂理はキーワードですね。
知人がするルービックキューにの例えが好きで、全面をそろえうとするのは、まず難しい、
そして各面をそろえようとした際に、どこかの面をそろえようとすると、
それまで、3面そろっていたのが、瞬間的に2面に戻り、そして4面がそろう、
瞬間的にそろっていた面が崩れることもあるわけですよね、
それを先々のメリットを考えて、受け入れるということ、
受け入れるには共感が必要で、共感には喜びや感謝よって、
相手の心を動かす必要があります。
それを私は楽しくやっていきたいんです。