「フードロス」を「レトルトカレー」に変える!レトルトカレー研究家の目取眞(めどるま)さんに聴いてみた

「フードロス」を「レトルトカレー」に変える!レトルトカレー研究家の目取眞(めどるま)さんに聴いてみた

今回は、起業家コミュニティで知り合った
レトルトカレー研究家目取眞(めどるま)さんにお話を聴きました

自分自身、広島大学時代には、先輩とカレー部
なるものを勝手に名乗って、

クラブイベントなどの前に、
食べに行ったものです

広島市民球場の近くに今も現存する
「ばばじ」さんのカレーが最高に好きです!

と、私のカレー愛を話しても意味がないので、
インタビューに移りましょう

目取眞さんは2021年6月10日段階で、
とあるカレーをつくるためにクラウドファンディングを
されており、ファーストステップをクリアした
という状況下でのインタビューです

【目取眞さん情報】
HP:http://medorumafoods.com/
ツイッター:http://twitter.com/mdrmfoods_curry
インスタグラム:https://www.instagram.com/medorumafoods_retortcurry/

R:REUSED
M:目取眞さん

目取眞さんに聴いてみた

R:目取眞さん、クラファンの達成おめでとうございます!
まずは自己紹介をお願いします!

M:目取眞 興明(めどるま こうめい)と申します。
1990年12月生まれ 沖縄県那覇市出身です。
東京農業大学を出たのちに、食品系の会社への就職を希望するも
結果としては、調剤薬局にマーケッターとして入社しました。
ただ、自分の中で決めていた3年という期間を経ても、
食品への熱は冷めなかったので、次に農業ベンチャーに就職しました、
そして2020年1月に退職し、2020年2月より独立して今に至ります。

R:レトルトカレー研究家のパンチはありますよね、
年間300食ですもんね、そもそもでいうと、
なぜ、レトルトカレーなんですか?

M:きっかけはとある飲み会で、今年の目標を言い合おう、となったときに
食関連で目標を立てよう、と考えたんです。そのときに「カレー」
というキーワードがおりてきたんですよね、
ただ、当時の働き方的に、お店に行く、というのは難しかったので、
レトルトカレーを100食食べる、という目標にしました、それが4年前になりますかね。
ノリと言えばノリですよね、

R:まさかノリとは、それにしても100食はなかなかですよ、
実際にやられてみて、何か変化などはありましたか?

M:カレーキャラになりましたね(笑)、カレーを食べてないと
「あれっ、今日はカレー食べないんだ」なんて言われたり、
4年前には結果としては、120食、翌年は250食、そして昨年には300食
と徐々に増えてきました、レトルトカレーって、常に3000種類あるんですよ、

R:3000種類。。。想像以上に多いですね、
確かにお土産などにもありますもんね、各地の。
印象に残っているカレーなどはおありなんですか?

M:四万十ぶしかんグリーンカレーですね、
これは自分自身のイメージ画像にも使わせていただいていますが、
元々グリーンカレーはあまり得意ではなかったのですが、
このグリーンカレーを食べて、美味しさに気づかされました、

R:目取眞さんがカレーを選ぶ時の基準ってあるんですか?

M:基準としては、「自分が知らなかったもの」ですね、
プラスαでいうと、成分表示を見て、自分が好きそうな味かどうかも
確認することが多いですかね、
今は、日本一高いと言われている宮崎のカレーが気になっています、

R:オリジナルカレーを作って、世界のフードロス問題を解決する、
ということをクラファンのページでも発信されていますが、
その原点はどのあたりにあるのでしょうか?

M:私自身、先ほども申し上げた通り、元々、食に関心がありました、
それには、親の影響が大きいと思います。
「食べ物があれば心は豊かになる」という考えの元、
例えば、不揃いの野菜、築地の一般流通には乗らない魚など、
今でいう、フードロス食品なども活用して、豊かな食卓にしてくれていました、
食べるものがあることによる安心感をまさに私が感じていたのです。
「フードロス」×「カレー」というのは、起業塾で自分自身を掘り下げる中で
行きついたアイデアになります。カレーって多様性を受け入れられる懐の深さがあるんですよね!
「もったいないをカレーで救う!」ですね。

おからカレーの生い立ち

R:すでに、何回も聞かれているかと思うのですが、
おからカレーの生い立ちについてお教えください。

M:おからとの出会いについては、金融機関さんが主催されたイベントで、
偶然、顔を合わせた豆腐屋さんとお話をしている中で、
廃棄に出しているおからを使って何かできないか、という話から
これまたノリでつくった、という形になります。
意外とおいしくできたんですよ、そこの豆腐屋さんも1丁200円という、
少し高級な豆腐を作られている豆腐屋さんで、おからの質も良かったんだと思います

R:日本全国の豆腐屋さんでも同じことが起きているんですかね?

M:ある程度は廃棄に回ってしまっていると思いますね、
協業をさせていただいた豆腐屋さんでも毎日100キロ前後くらいは
廃棄に回っていたのではないですかね、
豆腐が売れれば売れるほど、おからは発生するんですよね

R:1店舗で100キロか、、、
スーパーなどでおからが総菜などに使われていますが、
ごく一部なんですね・・・

M:うちの方で今、活用できているのが、30~50キロくらいでしょうか、
それでも産業廃棄物にせずに、活かせるということで、
かなり喜んでいただけています、

R:おからって、身体に良いんですよね、
そのおからが、廃棄される運命を背負っているというのは
なんだか悲しいですね、豆腐関連でいうと、湯葉などは
むしろ高級食材扱いなのに、

M:湯葉などは創る過程で、手間もかかっていますしね、
食材としてのブランディングの違いもあるかもしれませんね、
おからは本当に身体にいいので、もっともっとレスキューしたいですね、

R:レトルトカレーをつくるにあたり、
苦戦された点などはおありだったのでしょうか?

M:レトルトカレーの需要って、今すごく増えているんです、
その中で、クラフトビールのように、新しく創る人が増えたんですよ、
その結果として、製造工場が抱える案件が増えて、
製作のリードタイムが長くなり、思ったより時間がかかったところです。

R:これまでの経験は活きましたか?

M:工場に味のオーダーなどをする際の、
味の調整の際に役立ちましたね、特定のカレーを例に出して、
工場にオファーをしていました、
また、売れているレトルトカレーのパッケージについても、
自分なりに構造を解き明かしており、
そのロジックに基づいて、パッケージデザインをしています、

R:プロダクトを創られる中で、横のつながりなどは
増えてきましたか?

M:つい先日も札幌で、お話させていただき、私の事業について
興味を持ってくださり、何かやろうと計画しています、
私は普通より少ないロットで生産できる体制を整えており、
会話の際にその話をすると、驚かれます、
フットワーク軽く、製造ができるので、チャレンジの追い風ですね

R:おからカレーについて、目取眞さん的に好きな食べ方などは
おありだったりされますか?
ルゥだけでも楽しめそうですね。

M:ご飯の代わりに豆腐の上にかける、のはお勧めです!
ある意味、豆腐オンザ豆腐です!
また、食感が良いので、そのまま食べてもおいしいです。
お酒のおつまみにも打ってつけではないですかね。

R:フードロス、代用肉、昆虫食など、
食品を取り巻く環境も変化が大きい時代だと感じますが、
目取眞さん的にお思いになられることなどおありだったりされますか?

M:テクノロジーの進化で、いろんなものが世の中に出てきていますよね、
自分自身も新しい事にチャレンジしなくては、と感じます。
自分たちが生きている間は大丈夫かもしれませんが、
未来のことを考えるとテクノロジーを活用して、
もっと様々な取組を手掛けたいですね、
野菜や肉など、あらゆる食べものはテクノロジーの力で、ある種、
人為的につくられるようになり、今、農業で創られているような野菜や、
畜産で創られているお肉などは、どんどん高級になるんじゃないですかね、

R:次にレスキューしようとされている食材などは
おありだったりされるんですか?

M:日本酒のさけかす、ワインの搾りかすなどには注目していますね、
その他でいうと、今だと流通には乗らない稚魚、親鳥、乳牛などを
食用として余すところなく活用したいですね、
アセロラ農家の方からもご相談をいただいています、
色を赤くするかは検討中です・・・

今後の展望

R:日本の食は世界を見ても、粉もんでしたり、お寿司でしたり、
ラーメンでしたり、と1つの文化となっている印象なのですが、
世界的に見て、日本のレトルトカレーの存在感というのはいかがなのでしょうか。

M:レトルトカレーというのは日本食なんですよね、
世界的に見ても珍しいみたいですよ、レトルトに限らず、
最近アジア圏にココイチが出店されたりと、日本のカレーは日本食の
1つのスタイルなんですよね、ゆえにチャンスはあると考えています、
例えば、世界に目を向けると、日本だと当たり前に食べられている物が
廃棄に回されていたり、とフードロス問題は世界中でありますからね、

R:食の世界でもところ変われば、当たり前が変わるんですね、
1年後と、3年後、SDGsのゴール年でもある2030年
その時の理想の状態について教えてください!
そして、目取眞さんにとって、カレーとは何か?についても教えてください!

M:1年後に向けてはプロダクトづくりですね、
地元沖縄のものも含めて10アイテムはつくりたいですね、
あとは、今は個人でやっていますが、その限界も感じているので、法人化ですね。
3年後は関東、東北など、各エリアへの進出を終えている予定です。
また、レストランかどうかは、まだ未定ですが、
体験できる場所をつくっていたいですね、

2030年の目標は、
日本のフードロスの10%を自分の事業を通じて減らす!ことですね。
私にとってのカレーはヒトとヒトとをつなぐ、
バトンのようなモノですかね!

~最近の企業というと、テクノロジーを全面に打ち出したものが多い印象ですが、
目取眞さんのお話を聴いていると、プロダクトを持つことの魅力、
を非常に感じるとともに尊敬の念を改めて抱きました。
レトルトカレーのグローバルマーケットでのポテンシャルも感じましたね、
世界のいたるところで発生しているフードロスをレトルトカレーで解決する、
めちゃくちゃカッコいいですよね、

目取眞さんのキャラ立ちもますます角度がついていきそうですし、
さかなクン、ではないですが、レトルトカレー界の英雄になる日も
遠くないと思われます!

ただ、目取眞さんはおそらく有名になることが目的なのではなく、
その影響力を活かして、世界中を食による安心感で満たすことで、
ハッピーにすることを目指しているんだろうな、
レトルトカレーによる世界平和ですね!