バリエーションは3000種類!キャンディアーテイストMrs.Candy-Gさんの記憶に残る飴細工!

バリエーションは3000種類!キャンディアーテイストMrs.Candy-Gさんの記憶に残る飴細工!

私は現在、UOCという博報堂さんが主宰されているゼミに参加しており、
そこではいくつかのテーマでゼミが同時開催されているわけですが、

不定期的にゼミの枠を超えた形での交流するイベントがあり、
そこで出会ったのが、キャンディアーテイストMrs.Candy-Gさんです、

イベントでお会いさせていただいた際も、
放たれるエネルギーが気になっていたMrs.Candy-Gさんに早速お話を伺いました

Amazing candies by Mrs.Candy-G ミセス・キャンディGのアメイジングなキャンディアート
www.amazingcandies.com

飴細工は独学で

R:自己紹介をお願いします! また、今の事業を始められた経緯についてもお教えください!

C:キャンディアーテイストMrs.Candy-Gとして活動しています!『キャンディでアート!』と題して飴細工を作って披露したり、ワークショップを行なっています。
ここに至るまでには様々な経験をしてきました。最初はね、グラフィックデザイナー、次に海外の大道芸人を招聘するイベント会社でディレクター、その会社では企画営業の他にクラウンが使うバルーンの輸入担当もしていました。外国人パフォーマーたちからお客様の楽しませ方、楽しい空間の作り方、バルーンの作り方までホントにいろんなことを学ばせてもらいました。

R:その姿がイメージできるな~、そこから飴にどうつながるんですか?

C:その後、出産を機に退職したのですが、以前の取引会社を辞めてからもバルーンアートに詳しいとうことで、住宅展示場のイベントや百貨店のディスプレイなども任せていただきました。バルーンアートの仕事はとっても充実して楽しかったんですけど、 ただバルーンデコレーションは夜中の作業が多いんです。子供も小さかったし、そ うなると続けるのは厳しいなと。 そんな時ふとに思い出したのが地元の京都で子供の時に観た飴細工のことなんです。バルーンアートも飴細工もあっという間に創り出されて、いつかは無くなる 有限な感じが好きなんですよね。早速屋台の飴細工師に弟子にして欲しいとお願いしましたが取り合ってもらえず、あきらめかけ ていたころ、ちょうど主人の海外赴任が決まりました。赴任先のロサンゼルスでは現地のコミュニティカレッジで 片っ端からアートのクラスを受講しました。彫刻のクラスも取りましたね。教授に日本の飴細工の話をしたら、『筋が良いんだからやれば良いじゃない!?』とあっさり言われ、それじゃあと独学で始めました。
とは言ってもまず飴のレシピがわからない!いろんなお砂糖を混ぜては炊いての繰り返し。配合を変えたり、煮詰める温度を変えたり、ほぼ毎日が自由研究でした。少し上手に作れるようになると周りの人に試作品をプレゼントしたり、そのうちパーティーなんかで披露できるようになりました。黄色いキリンを作ると『これはレモン味?バナナ味?』って聞かれるんですよ。日本の伝統的な飴細工は砂糖の味がするだけで、市販のキャンディみたいにいろんな味はついていないですからね。日本人は当然分かっていても、アメリカ人には分からない!

R:確かに見た目の味のギャップはあるかもしれませんね。。。紫だとブドウの味がしそう ですもん。。。

C:『そうだ、飴細工にいろんな味をつけよう!』と思い立ってからは、香料 探しの旅ですね。帰国後いろんな香料会社にご相談しました。『飴細工にフレーバー入れるなんて聞いたことない。』とか言われましたが、根負けして少しづつ温度と風味の関係など教えて頂いたり。最後は自分の舌が頼りです。例えばストロベリーのフレーバーでも香料会社によって香りが全然違うんですよね。とにかくいろいろなサンプルを作って、自分の飴と合ういちばんおいしいものを探しました。

R:飴細工を披露されていて、海外のアメリカの方々と日本人で反応などは違ったりするのでしょうか?

C:飴細工にフレーバーを取り入れてみて気づいた点としては、地域地域で人気の味が異なることですね。30種類以上のフレーバーがありますから(笑)
日本の定番はストロベリーやソーダ味。アメリカではブルーベリーが人気。
イギリスではスイカやカナダではライチも人気があります。
日本の香料を使っていますからね、みんなに本当に美味しいって言ってもらえます。やっぱり日本のお菓子は本当に美味しいんですよね。
飴細工を観るお客さんの反応としては、日本でも海外でもそんなに変わらない気がします。飴細工の種類も多いので注文するだけでワクワクする〜って言われます。

そして、そこに集まった人の辺りに温められた飴の甘くていい匂いがしてくるわけです。『ああコーラの香りだ!今度はバナナだ!』って盛り上がりますよ。

オーダーを受けて飴を作っている間もお客さんといろいろ会話しています。どうしてそのオーダーした動物が好きなのかとか、家族や友達の話だったり、学校や趣味の話まで。もちろん私の手元を見ながら飴ができていくプロセスをじっと見つめてくれているお客さんもいらっしゃいますけどね。できあがるとすごい!とかAmazing!とか言って下さいます。

どんなにかわいい飴も舐めれば形は変わるし、食べればなくなってしまう。花火のように有限の儚さがあるものに、私は惹かれちゃうんですよね。物は無くなるけど、そこには『あの時楽しかったね、おいしかったね!』という体験が記憶に残る。私が子供の頃見た飴細工を思い出したように、この出会いをいつか思い出してもらえると嬉しいですね。

R:素敵な考え方ですね~、飴細工をされる以外にもお客さんが自分で作る様々なワークショップもされていらっしゃいますが、どのよう なオーダーが多いのでしょうか?また、皆さん、どのような反応をされますか?

C:飴細工のアイテムが増えていったように、いろいろご要望に応えているとワークショップの種類も増えて今は25種類ぐらいあります。私のキャンディワークショップは3歳から参加可能で、飴を練って形を作ってもらい、そこに砂糖菓子を貼り付けたり、食紅でお絵描きしてもらって食べられるアートを作るって言うものです。

正月はだるま、春はイースターや鯉のぼりを作ったり、ハロウィンの

ジャックオーランタン、雪だるまやサンタまで、とにかく毎月いろいろなものを提供してます。 ママさんたちからの自由研究になりそうなワークショップをやってほしい!というリクエストにお応えしてできた『キャンディのひみつ』というワークショップもあります。ワークショップで好きな色と味を選ぶ時、黄色のキャンディのグレープ味やピンクでチョコレート味が作れるのが不思議だって言われるので、このワークショップでは『砂糖のひみつ』『香料のひみつ』『食紅のひみつ』と題して、砂糖の温度の変化や匂いの感じ方、色の混色なんかについて学んでもらいます。コロナ禍で予定されていたイベン トなどが軒並みキャンセルになった時は本当に悲しかった。エッセンシャルではないかもしれないけれど、キャンディアートも演劇などとも通ずる部分があって、まさにヒトの心を豊かにする時間 だったんだなあって思いました。今年に入ってイベントも再開しだしたので、また皆さんに楽しんで頂きたいと思っています。

組み合わせは3000種類に!

R:様々な動物などをモチーフにされていますが、アイデアの源泉はどこにお ありなのでしょうか?

C:全くの独学で師匠もいないので、自分で『こんなデザインあったらいいなあ〜、かわいいなあ〜』を実現していくうちに飴細工の種類は100種類になりました。 それに加えてフレーバが30種類あるので、組み合わせると3000種類あります。 お客さんが選びやすいように、指差しで注文できる写真付きのメニュー表を用意しています。選ぶのにメチャクチャ時間がかかる人もいて、悩んだ結果、『ピーチ味の相撲レスラーく ださい!』、って、 それ自体面白いですよね。まずは選ぶことを楽しんでいただき、つくるところを見て楽し んでいただき、 さらには食べて楽しんでいただく、全部舐めきれない時はミルクなどに入れて溶かして面白ドリンクをつくってみて、 という提案もしています。とにかく私のキャンディでいろいろ楽しんでいただきたいです!

R:今は主には、POP UPなど催事へのご出店がメインになるんですよね?

C:お店は持たずに出張でサービスのみです。店舗を持つと、従業員を雇わないといけないし、お客さんをじっと待たないといけない。自分らしいペー スで楽しみながらやろうとすると今の方法がベストだと思っています。
『特許とった方がいい。弟子を増やして拡大した方がいい。』とか様々なアド バイスを今もいただくこともありますが、この小商いこそ豊かだし、自分の責任の取れる範囲でこの仕事を楽しめるというところが気に入っています。

R:最初の案件はどのような案件だったんですか?

C:屋内遊園地への飛び込み営業で決まりました。電話をして資料を送り、お 話させていただき、 たまたま担当者がすごく前向きでその週の日曜日には開催というくらい のスピード感でした。材料費は1人500円で、こちらで用意した飴をデコレーションしてもらう内容でした。 そこでお客さんの反応を見ながら、説明の仕方や道具、ワークショップの内容など細かくコンテンツをアップデ ートしていきました。とにかくお客さんの表情を観察しながら、どうやったらもっと満足感が得られるかを研究しました。回数を重ねるとリピーターさんも多くなり、
その人たちがSNSで宣伝したり、またその知り合いの方を連れて来てくださる。私、営業はあまり得意ではないので、本当に助かりますね。お客さんが輪を広げていろいろご紹介してくださいます。バルーンアートをやっていた頃もわらしべ長者的なエピソードがありまして、初仕事の住宅展示のイベントで出会った方が、たまたま幼稚園の役員をされていて、幼稚園の会でパフォーマンスの出演依頼を頂き、その幼稚園にたまたま来ていた方から息子の結婚式で余興として出演してほしいと言われ、その結婚式の来賓の方が飲食店を経営されていて、今度オープンする店で開店の日にパフォーマンスしてほしいという展開もありましたね。ここまで来ると自分でもすごいと思いました。

R:確かに、絵にかいたようなわらしべストーリーですね、 次にUOCのYATAIのゼミに参加された理由についてお教えください!

C:インスタに出てきた広告を見てです。ポストコロナの時代に賑わいをどうつくるかという謳い文句に惹かれました。屋台を私が子供の頃に見たような展開にするには、今の食品衛生法や道路許可などの関係で本当に難しくなっています。ストリートパフォーマンスのように、どこからともなく現れて、そのストリートが一瞬でお祭りのようにワクワクする空間になるというのは今の日本では諦めざるを得ない。現在もメンバーみんなで知恵を絞っているところですが、何か良い着地点が見つかるといいと思っています。

時間と空間を人と共有し楽しむ

R:最近嬉しかったことについてもお教えください!

C:お台場のショッピングモールにある屋内遊園地で毎月ワークショップをやっていました。今年の春、再開発でそのモールがクローズになったのですが、お客さんたちから『先生これからどうするの?次回からはどこに行けばできる の?』とよく聞かれました。ええ!私の事心配してくれてる!もっとキャンディアートしたいって思ってくれている!と驚くと同時にメチャクチャ嬉しいかったです。ワークショップできる場所探していますと言うと、『こんな場所があるよ。知っている所を紹介するよ。このサイトに宣伝したらもっとできると思うよ。』などとさまざまな情報を頂きました。おかげさまでそれがほとんど実現しています!本当にお客さんに感謝!そして「ありがとう」言ってもらえる素敵な仕事だとつ くづく思います。

R:コロナ禍では実際にはどのような活動をされていたのでしょうか

C:イベントは全部キャンセル。自分に何ができるかと考えた時、石けんのワークショップを開発しようと思いました。子供に手洗いさせたいけど、嫌がるお子さんも多い。そこで手洗いが楽しくなるようなおもしろい石けんのワークショップがあれば良いなあと。コロナ禍だからこそ、おうちでギスギスする時間がちょっと変な石けんで笑顔になるといいなあと思いました。『soap.de.fun』と題して、これも楽しい時間の提供を意識しています。ストリートパフォーマンス→バルーンアート→キャンディアート→ソープアートと繋がってきています。どれも一期一会、その時間と空間を人と共有し楽しむのスタイルは一緒です。現在ではキャンディアートとソープアートどちらもやらせて頂いています。

R:むらかみさんのされていることを●●業と表現するとしたら、何業になりますでしょう か?

C:娯楽業、または娯楽提供業。 お客さんにはもちろん、私も一緒に楽しみたい。飴の先生と呼ばれることも多いんですが、それはおこがましいです。飴のおばちゃんと呼んでほしい。関西では挨拶がてら、コミュニケーションを取るために『飴ちゃん食べる?』とおばちゃんがよく飴をくれます。ちょっと元気のない人も少し笑顔になるようなそんな存在でいたいと思います。

R:最後に、今後の野望についてお教えください!

C:コロナで中断していた飴とお酒の融合ですね。私自身はお酒は1滴も飲めないのです が、 コップのフチ子さん的な形で、グラスにかわいい飴細工を取り付けて、飴を舐めながらあるいは飴をお酒に溶かしながら飲むというものを考えています。楽しむのは子供だけと思っていませんか?大人にこそもっと楽しんでほしい。流しの飴細工師としてバーなんかに登場してジンソーダなんかに飴細工が付いてきたらいいと思いませんか?
8月に料理が上手なお母さんたちが『おかんバル』という お店をイベント出店されるのでそこでお披露目予定です。お客さんに反応が楽しみです。

(編集後記)
オンラインでインタビューさせていただきましたが、話が尽きず、本当に楽しい時間でした、
常に目の前のお客さんを喜ばせることを考えられているMrs.Candy-Gだからこそ、
多くの方が力を貸してくださったり、縁をつないでくださったりしているのであろうことが
ひしひしと伝わってまいりました!