SDGsな川越のギターショップ、T.S.G.楽器店に行ってみた(後編)

SDGsな川越のギターショップ、T.S.G.楽器店に行ってみた(後編)

▼前回のおさらい

前回は、コロナの影響でしたり、お店のお客さんのお話でしたり、
お店のことをまずはお聞かせいただき、

終盤で、環境とギターの関係についても、
話していただきました。

その中で話題にも上がった、
マテリアルのお話から、
今回ははじめてみます

▼楽器と新素材

R:国内でも発生しているんですね、、、こういうことって、
限界を超えるタイミングまで、明らかになりませんもんね・・・
先ほど上がったハイブリッド素材について、強いメーカーさんなどはあるんですか

T:GRECOですね、かつてはジャパンヴィンテージの代表格でしたが、
今は会社の統廃合等を経て、高級機を専門としているのですが、
そこはエボノールと言われる、いわゆるカーボン素材を指板に使っていますね、
加工か難しいため、まだボディには至っていません、

R:カーボンがギターにも使われているんですね、
初めて知りました、ゴルフクラブのイメージはありましたが・・・

T:ギターよりもむしろ管楽器特にクラリネットが進んでいますね、
エボナイトという名称になりますが、いわゆるタイヤの燃え殻を固めたモノ
これも言い換えるとカーボンですが、高級機はカーボンが使われています
廉価なアイテムはプラ製ですね、塗料も少しずつ天然由来のものが出てきていますが、
まだコストが高く、普及は進んでいませんね、漆塗りのアイテムなどもあります。

R:普及まではもう少し時間がかかりそうですね、世の中が本物嗜好に
なっていくとしても、あまりにも価格が高いと、なかなか手が伸びませんもんね、
話を伺って、ギターや楽器にも環境問題の影響がある、ということを初めて知りました
ギターにおいて、素材とはどのような位置づけなんですか?

T:ギターって、素材信仰の強いアイテムなんですよ、
環境への配慮により、素材が多様化すればするほど、
当時物の希少材の使われたヴィンテージはますます価値が上がるでしょうね、
拘るヒトはとことんこだわりますからね

R:例えば、お店でも売られている弦のような消耗品については、
リサイクルの流れなどはあったりするのですか
弦から弦にみたいなループってあるんでしょうか?

T:弦にはまだ、素材のリサイクルの流れは来ていませんね、
ギターから奏でられる音楽自体は世相等を色濃く反映したりしますが、
楽器業界自体は、まだ時代に追い付いていないのかもしれません、
業界の在り方もまだまだ男性社会と言われていたりもしますし、
女性のリペアスタッフなどはほとんど見たことがありませんね・・・

▼中古楽器を見るポイント

R:中古ギターを買う際に、
気を付けるべきポイントってあるのですか、
ギターの価値ってどのように決まるんですか?

T:状態ですね、T.S.G.の商品はすべてメンテナンスしていますが、
どこまでメンテナンスしているか、もポイントです。
あとは音の鳴りが好きかどうか、抱えた時のしっくり感、
この辺は通販だとなかなか分かりづらいですよね、
今日も千葉県の市川から2時間以上かけてお客さんが試奏に来られましたが、
思っていた音と違う、ということで別のギターをお買い上げになられました、

R:その人その人で拘りが色々とありそうですね、
使われている素材っていうのは、どういう位置づけになるんですか?

T:素材信仰と申し上げた通り、素材は大事です、塗装の劣化具合や
含水量も大事です、ギターに限らず木材って、伐採した後に
水に浸すことで、伐採前のコンディションをキープするんですよね、
ギターの場合ですと、ネックの反りの防止にもつながります、
東京の新木場の地名の由来ですよね、その水分の抜け具合が大事です、
大手だと、海外の木材に日本の四季を経験させる設備をつくっていたり、
木に衝撃を与えることで、再度息吹を与えたり、この辺はもはや哲学の世界ですね、

R:知識が半端ないですね、どうやって情報を得られてるんですか?
あと、川越MADEの地元クラフトマンのアイテムもあるみたいですが、どれですか?
また、地元クラフトマンに対する想いも教えてください!

T:知識は卸問屋さんでしたり、お客さんでしたり、様々なところから得ています。
職人て警戒心強いところがあって、今、うちに商品をおいているクラフトマンたちとも
最初は変なライバル心がありました、でもあってみるとメチャいいやつ、的な、
このギターやエフェクターなどがそれにあたります。
みんな川越でなくても商売していけるような方々なんですが、
川越にこだわって、商売をされているという点に心意気を感じていますね、楽器版の地産地消ですね。

R:ライバル心ということは、
横につながりもあまりない業界なんですか?
周囲のお店との関係はどうなんですか?

T:ライブハウス、楽器屋さん、スタジオなどなど、
川越にも音に関わる事業者様がチラホラいますが、
存在は知っているけど、つながりはない、みたいです、
唯一、新参者の我々だけが、全ての事業者様とつながってます、
気づいたら、川越の音楽界隈のハブ的なお店になってました・・・
コロナが明けたら、皆を集めて語りたいですよ。

R:ここにきて無茶ぶりをしてみていいですか?
マニアックネタをなんでもいいので教えてください!

T:本気で無茶ぶりですね(少し考えて)。。。これでいこう、
うちでアルゼンチン製のギター弦を扱いはじめました。
メーカーは一切宣伝していないんです。ギター弦の取扱いの業者さんが輸入している弦です。
錆びにくいコーティング弦が990円はあり得ないんですよ。1450円は最安でもしますから。
アルゼンチンの高温多湿の環境でもまれてきたので、日本でもいけるでしょ、的な。
SDGsでいうところの「質の高い教育」にも通じるんじゃないかな。

R:いい感じにマニアックです、そして、引き出しの量が半端ないです、
確かにSDGsを体現する、ギターショップですね!
先ほどの地産地消の話もカーボンニュートラルに貢献しますね!
最後に楽器店を通じて成し遂げたいこと、について教えてください!

T:楽器店ってどうしても、楽器=高い、楽器=バンドマンのような先入観が強いのですが、
そこは構えずに気軽に考えてもらいたいんです、
初心者の方からプロの方まで、普段の肩書関係なく、
単なるギター好きという共通項で仲良くなれる空間づくりがしたいですね、
そこでの化学反応も面白そうじゃないですか!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(編集後記)
ジャパンヴィンテージに特化したギター店と聞いていたので、
小難しい話が多いのかな、と少し構えていましたが、
めちゃくちゃフランクに、熱く語っていただけました!

楽器業界と環境との関係や、管楽器のプラ素材の話など、
ここにも経済活動と環境の縮図、が見て取れました、
川越が次の日本の楽器の聖地となること間違いなし!
楽器の地産地消という考え方も新しいかったです。

T.S.G.のゴールの1つはギターを売らないギター店
なのかもしれない。