「誰もが活躍できる場作り」業を営む一般社団法人ワーキングバリアフリーの島田さんに話を聴いてみた

「誰もが活躍できる場作り」業を営む一般社団法人ワーキングバリアフリーの島田さんに話を聴いてみた

島田さんとはとある会合でお会いさせていただき、
その後1度、お互いの考えたなどをブレストさせていただきました

ひょんなことで、再開する形となりまして今回インタビビューをさせていただくこととなりました

ワーキングバリアフリーHP

R:RUSED
S:島田さん

提携する就労施設は全国43箇所

R:かんたんなご自身の紹介と取り組まれていることについてお聞かせください。
ワーキングバリアフリーについて是非お願いします!

S:一般社団法人ワーキングバリアフリーは、古本リユース&障がい者就労支援の活動
「ジ ョブボン」を運営しています。
具体的には、読み終わって整理したい本を寄付で集めて、障がい者就労施設でネット通販 することで、障がい者就労支援の活動を行っています。
2018年10月から活動をはじめておりまして、5年目を迎えています。2023年1月現在で、提携の就労施設は、全国43箇所です。

SDGs活動としても特に、8番「働きがいも経済成長も」、12番「つくる責任、つかう責 任」を目標に活動しておりまして、本の寄付に関しても、想像以上に皆さん協力的に行ってくださっています。我々の事業において、本が増えれば増えるほど、障がい者の方の仕事を増やせます。よって、本の寄付が増えることは、非常に重要なので助かっています。様々な企業や団体にSDGs活動の一環として、読み終わった本を寄付頂くため、ブックポストを設置していただいています。

ワーキングバリアフリーでは、ネット通販を事業として成り立たせることを重視していまし て、事業を通じて、障がい者の方が自分の得意なことを仕事にすることで、自分に自信を持つきっかけができればと考えています。 従来の障がい者施設の仕事に比べて、直接お客さんから注文が入るので、お客様の存在を感じることができたり、自分の作業 が世の中においてどのように役立っているのか、
ネットショップの場合はそれは見えるんですよね。仕事を通じて自分が社会の役にたって いるという実感や、お客様から評価をいただくことでやる気が生まれ、 それが自信につながります。精神障がいをお持ちの方の中には対面でのサービスが苦手と いう方もいらっしゃいますが、ネットの場合は対面する必要はありません。 また、ネットで最先端のAMAZON通販の仕事に携わている、ということに誇りを感じる方もいるみたいです。

R:どのようなきっかけで今の事業をはじめられたのでしょうか?

S:元々、障がい者就労に縁があったわけではなかったんです。私はずっとネットの仕事をしていまして、独立して元々の知識を生かしてネット通販事業を行っていました。
ネット通販を行うにあたって取り扱うことにしたのが、最も好きだった本でした。
しかし、本の数が増えると、本の検品や梱包作業が大変になってきます。
そんな時、仲の 良かった経営者が障がい者就労施設を立ち上げるので、
障がい者の仕事として、古本の業務に取り組ませてほしいと相談をもらいました。 最初は苦労の連続でなかなかうまくいきませんでしたが、独自にの障がいを持つ方でも簡単に使いこなせる業務システムを開発し、調整を重ね、多数の就労施設で使ってもらうことで業務がうまく回るようになりました。1、2年位はかかりましたね。
精神障がいをお持ちの方はこだわりが強く、1つのことを集中してやるのが得意なので、本の検品作業などの相性は良いんですよね。

島田さんは、なぜこの仕事をこだわってやっているか?とよく質問を受けます。実は、就労支援施設には、一般企業で働きすぎて、うつ病になってしまったる方もいらっしゃいますが、私も同じようにうつ病診断を受けて仕事ができなくなった経験があります。
よって、急に仕事ができなくなった時の不安な気持ちを経験しているため、他人事ではないと思って、この仕事に取り組んでいます。

SDGsを共通の価値観・共通言語に

R:事業をされる中でのこれまでのご苦労などあればお教えください! また、事業をはじめられてお気づきになられたこと、お感じになられたことなどあれば重ねてお教えください!

S:働く障がい者の方は、どんなことが得意なのかを理解するところから始まりました。 よって、まずは古本の仕事を分解して、一つの仕事に集中できる業務システムツールを作りまし た。
また、実際の作業内容をわかりやすく伝えるため、動画によるマニュアルを整備しまし た。
マニュアルの中では曖昧な部分は排除しています。曖昧な部分があると迷ってしまいます ので。
皆、想像以上に丁寧に取り組んでくれるんですよね。
本は誰にとっても身近なものでもあり、本自体が好きな方も多いため、仕事として取り組みやすいものです。

R:ワーキングバリアフリーさんのHPにはSDGsについて触れられておりますが、 島田さんのSDGsに対するお考えなどあれば、是非お教えください!

S:実はSDGsについて全く知らず、ある方に私達の活動そのものがSDGsだからと言われて勉強して、
SDGsの目標を掲げて活動したところ、支持してくださる方々が一気に増えました。
SDGsについて関心の高い方が声をかけてくださるようになり、事業の成長にもつながりま した。
大手企業や学校とのつながりも生まれました。SDGsが共通言語であり、共通の価値観にな ったんです。
SDGsをビジネスを発展させる戦略の一つとして捉え、て取り組む企業方が増えたことが追い風に なっています。

R:最近ないしはこれまでにあった嬉しかったことについてお教えください! お客様からいただく声なども絡めてお教えいただけますと幸いです!

S:実際にあった例として、当初は新聞のインタビューを受けるのは恥ずかしいと消極的だった方が、新聞に記事が掲載されたこと で家族に「すごいね!」と言ってもらったことで、自信を持つことができ、その後、テレビの取材にも積極的に対応してくれ たということがあります。
自分の仕事が認められるって、本当に大事だなと実感しました。
本の仕事は楽しい、という声をもらうと嬉しいですね。商品が売れた、という感覚や、バ ーコードで売れる金額が分かるのが楽しいんですよね。
特に本が好きな方との相性は非常に良いですね。

R:島田さんの取り組まれている事業を○○業と表現するとしたら何業になりますでしょう か?

S:法人名である「ワーキングバリアフリー」は「ワーキング(仕事)」と「バリアフリ ー」の造語です。
「どんな境遇の⼈でも、⾃分の強みを活かして仕事ができる。その実現のために、私たち はあらゆる障壁(バリア)を失くしたい」そんな思いを込めています。 よって、◯◯業と表現するとしたら、「誰もが活躍できる場作り」業かなと思いました。

R:今後の島田さんの目標についてお教えいただけますと幸いです!

S:長い目で見ると、ネット通販の仕事は担い手が足りなくなります。 そこをもっと就労施設で担えるのではないかと考えています。活躍の場づくりですね。 各メンバーのスキルを第三者的に見れる認定カード的なものを創りたいと考えています。 そのカードを使えばどこでも働くことができる、そのような世界をつくりたいです。