終活・相続をワンストッププラットフォーム「はなまる手帳」創業90年の老舗葬儀社の5代目吉野さんは風通しを良くする業を営まれている

終活・相続をワンストッププラットフォーム「はなまる手帳」創業90年の老舗葬儀社の5代目吉野さんは風通しを良くする業を営まれている

吉野さんとは、シニアライフに関する勉強会で初めてお会いさせていただき、
オンライン越しではありますが、バイタリティのある方だなと感じていました。
かつお仕事に対する熱い想いもひしひしと伝わってまいりました。
業界のプレイヤー同士をつなぐ「はなまる手帳」などのイノベーティブなお取り組みを
しておられる吉野さんにお話をうかがいました。

株式会社ヨシノ:https://www.yoshino-ceremony.com/

はなまる手帳:https://hanamaru-syukatsu.com/

Y:吉野さん
R:REUSED


創業90年の老舗葬儀社の5代目が考えた、孤軍奮闘をつなぐプラットフォーム「はなまる手帳」

R:まずは自己紹介と今お取り組みされている事業の内容についてお教えください!

Y:吉野 匠と言います。リアルとITの両面から相続・終活に関するインフラを全国に拡げていく活動をしています。具体的な事業についてですが、ITについては、はなまる手帳という相続・介護・終活に関するお悩みをワンストップで解決・相談できるサービスを提供しております。リアルに関しては創業90年の老舗葬儀社の5代目として、葬儀を起点に、葬儀前では事前相談や相続対策など地域の方々にとって必要な情報を提供させていただいています。最近では全国の相続終活を行う士業と各地の葬儀屋さんを繋ぐお手伝いをする法人を知人と設立しました。各地の各事業者がノウハウをもっているものの、相続と相続は点として存在しているのみで、つながっていないんですよね。時代も変化を遂げており、商店街に1店あるからここにお願いしよう、という時代ではすでにないんですよね。とはいえ、相続や終活は一生に何度もあることではなく、相続関連の専門家士業事務所へは、あまり気軽にいけるわけではありませんので、お客様が正しい情報を得られているかというとそうでもないんですよね。お墓、葬儀、介護など終活や相続、その周辺に関わる事業者の情報を一覧で獲得することができ、終活、相続をスムーズにできるような環境づくりができればと考えています。イメージとしては外食店のプラットフォームの相続バージョンような気軽な存在ですね。

R:高齢化そして多死社会を迎える中でその領域で活動されている方々はまだ個や個に近い形で
動かれていることが多い印象を受けています。その状況にあって、終活・相続をワンストップで解決するマッチングプラットフォーム「はなまる手帳」は素晴らしい仕組みであると感じておりまして、はなまる手帳についてもお教えいただきたいです。

Y:はなまる手帳を始めた時から感じていたことが孤軍奮闘です。情報発信をできていない人が多いんです。
例えば、自分の街にどのような事業者がいるのかということさえ知らない人も少なくないんじゃないでしょうか。結果的に、発信をうまくやっている大手にお客さんが流れてしまうんです。その状況をどうにかしなくてはならない。皆が発信の場を持つことで、お客様との直接の接点を持ち、お客様がさらにその背後にいる他の地域の事業者についても知ることができるような仕組みをつくりたいんです。
例えば、きっかけは遺品整理だとしても、コミュニティが醸成されていれば他のお困りごとについても
ワンストップで解決することが可能になります。

孤軍奮闘で点に留まってしまっている。そのような点と点をつなぎたいんですよ。

R:実際に「はなまる手帳」をお始めになられてお感じになられたことなどあれば是非お教えください!
また、その中で見えてきた課題感なども差し支えない範囲でお教えいただけますと幸いです。

Y:吉野さんのところに登録して仕事が来ました、というお客さんの声はやはり嬉しいですね。
登録した意味があったよ、とSNSで連絡が来ることも良くあります。仕事が創出できていることは私の喜びですね。ビジネスマッチング機能もあることで企業間のつながりも生まれています。
ただし、課題としては、はなまる手帳のユーザーは個人も法人もITリテラシーが高いとは言えず、
まだまだ発信における最適解についてはこちらも模索しているところではあります。
だからこそ、ITの仕組みだけ提供するだけではなく、リアルでのはなまる手帳的な活動も大事ということです。
先程も述べましたが、時代は変化しており何もしなくても仕事が来るという時代ではないんですよね。
そのご時世においてもHPをもっていなかったり、広告を打つといっても折込や道路看板広告のみなど、
時代の変化に適応しているとは言い難い状況で、これまで変化への対応の必要性を感じることが少なかったのかもしれません。相続・終活に関する事業者について、一般消費者からはほとんどの人にとっては同じように見えているでしょうね。そのため、やることが同じであれば安いほうがいい、ということで目に止まりやすい会社にお願いするケースも少なくないと思います。実はどこでも同じというわけではなく、ただそれを理解していただくためには教育が必要なわけですが、事業者サイドにも教育できる人がおらず、また教育を受けようとする人も居ないのが現状ではないかと感じています。良いサービスを提供している事業者が選ばれる企業で有り続けるためのきっかけをつくるなどの形で、
はなまる手帳の力で各地域の事業者を支えていきたいと考えています。

ご利用いただける理由づくりを

R:以前、新発田の渡辺さんにインタビューさせていただいた際に、どのような形で
お亡くなりになられるかが大事であり、そのためにご存命のうちから人生を楽しんでいただくための
術も提供していきたい旨をコメントいただき、なるほどな、と感じました。
吉野さんも、事業を営まれる中で意識しておられることなどおありでしょうか。

Y:相続・終活は目に見えている問題の解決だけが求められるという話ではないんですよね。例えばこの保険に入ったから大丈夫、遺言書を書いたから大丈夫、それだけではないんですよ。それはあくまで表面上の課題であって、実は内面においても感情的な悲しみや悶々とした思い、親子・家族関係の中での潜在的なトラブルの目など、様々な課題を抱えているわけです。共に育った兄弟・姉妹や、親子がお金などで揉めてしまうなどは切ないですよね。私は表面上見えている部分だけではなく、内面の課題にも訴求したいと思っています。
コロナ禍で親子間・家族間のコミュニケーションが希薄化しているのではないかと感じており、
相続・終活をトラブルではなく、親子間・家族間の温かみのある関係の再構築に結び付けられればと考えています。遺産分割におけるお金の話だけではなく、想いや死を悼む気持ちなど、目に見えない部分も大事したいですね。商売を継続するためには当然お金を稼ぐ必要があることは事実ですが、飽和している社会の中で、
いかに選ばれる理由(=付加価値)を生み出すことができるのか、我々も含めて各事業者考える必要があります。「あなたに出会えてよかった」、そう言っていただけるように。

R:最近嬉しかったことや印象に残っていることなどあれば是非お教えください!
また、吉野さんの中での最大の関心事は何になりますでしょうか?どんなことでも問題ございません!

Y:先程の繰り返しになりますが、吉野さんのメディアのおかげでお客さんが来てよかった、と言われることですかね。最大の関心事としては2025年問題です。4人から5人に1人が後期高齢者に突入する時代です。
年金問題や介護に対する保証の厳格化などが非常に気になる点となります。後期シニアに対する世の中のソリューションが必要です。また、孤独死やお一人様の問題など孤立という点も気になります。
葬儀業という視点からみても、日本はあまりいい状態とは言えないのではないかと感じています。
隣接業界を円滑に結びつけ、コミュニティの輪を拡大し、共創しあえる環境づくりをしたいですね。
シニアLTVという切り口で考えた際に、ピンはたくさん立っているのに地域で有効活用できていないんです。

R:吉野さんの取り組まれている事業を○○業と表現するとしたら何業になりますでしょうか?
また今後の展望についてもお教えください!

Y:相続・終活の風通しを良くしたい業です。
なぜ風通しが良くないのかというと、皆眼の前のシゴトが忙しくて、隣接業界との連携の余裕がないことが多いんです。事業者さん同士が協力し合って純粋に仕事に直結するような関係性を築くことができる場をつくりたい。はなまる手帳も設立当初から比べるとこの分野に興味をもってくれる業界外の方が増えてきました。
世の中において影響力を持つ人が、相続・終活の重要性に気がついてくれてきています。
メディアで取り上げられることも多くなってきました。
その追い風を活かすべく、リアルにITにと以後も活動の輪を拡げてまいります。