「100年育てた木を100年使う」百年木材を通じて、田舎と都会をつなぐ!宮崎県日向市の株式会社グロースリングの林さんに聴いてみた!(後編)

「100年育てた木を100年使う」百年木材を通じて、田舎と都会をつなぐ!宮崎県日向市の株式会社グロースリングの林さんに聴いてみた!(後編)

前回は、百年木材のこだわりなど、
木材に対する林さんの想いをお聞かせいただきました、

後編では、業界のことなども、
深堀させていただきます!

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新しい銘木文化で世界の人々を笑顔にする
growthring.co.jp
100年以上の国産材で創業62年の材木店が、デザイナーさんや木工作家さんとモノ作り。”3代先まで大切に使っていただける商品・ストーリー”=”そだてもの”を作り、…
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R:REUSED
H:林さん

宮崎県日向市の株式会社グロースリングの林さんに聴いてみた!

R:少し話題は変わりますが、森林の維持(間伐含め)の課題もたまに耳にしますが、
森林という観点でお考えをお聞かせください!

H:宮崎は人工林の里、多くの製材所や山に関わる方達が長年積み
上げてきた歴史があります。それとともに、後継者不足などの課題
もあります。 そこで、宮崎県は関東の美大生や県内の学生などを巻
き込んで、林業や地方の課題を深堀し、学びを共有するプロジェク
トもあり、私も参加しています。宮崎県はサーフィンのメッカとし
て移住者は増えています。私もそのような方達が林業にも興味を
もって頂けるように、発信をしていきたいです。学生さんがもつ独
自の視点もにも刺激を受けました。このような動きは地域には必要
だなと感じますし、もっと多く の若い人にも来てほしい。 地元の
人間、外からの学生さん、企業、県で力を合わせて課題解決を楽し
く進めていきた いですね。

R:HPに掲載されている職人さんたちはどのような経緯で共創することとなったのでしょうか。
また、ワークショップではどのようなことをされているのでしょうか。

H:父親が24歳くらいの時に修行にいった際に200年くらいの木を見て感動してから、
百年木材を活用したいという願望をずっともっていたようです。
和室文化が残っていた昭和の時代、
百年木材は最高級の建築部材として文字通り飛ぶ様に売れていきました。
和室の柱や長押、鴨居に使われる木目の美しい百年木材は
和風建築になくてはならない木材界のスターでした。
日本建築の粋を支えた百年木材が今は逆境にあります。
そんな百年木材にもう一度光を当てたい。
ただ、製材のことは分かるが、それをどうすればいいのかわからず、
そこで様々な人に相談をしていました。
それを聞いて多方面の方から紹介して頂き繋がることができました。
現在、大分県・宮崎県を中心に数名の職人・デザイナーの方とコラ
ボレーションしています。百年木材の材に熟練の技術と洗練された
デザインの力で見事に新しい命を吹き込んでくれます。 私たちが
プロダクトを企画・木材を提供し、モノづくりをしていただき、そ
れをECサイトで販売しています。
百年木材に魅せられて以降、市場で適宜、仕入を続けており、
この前倉庫を見ると「こんなにあるの?」
というくらいの量になってました(笑)

R:業界内での横のつながりなどは盛んなのでしょうか?

H:日向市の林業に携わる方だけでもいろいろな業種がありま
す。 たとえば、建築材専門で事業を行っている会社があったり、弊
社のように梱包材を主に取り扱っていたり。常に情報交換はしてい
ます。 県を超えて、関西方面や北九州の材木屋さんと仲間を募って
勉強会開催することもあります。

R:林さんの行動力の源泉について教えてください!
重ねて、林さんがお仕事をされるうえで、
大事にされていることについてもお教えください!

H:家族とか、友達、仲間からのリアクションですね!
周りにいいやんと思われることをやりたいです。
今は、材木屋がいい仕事だと改めて実感しています。
お客様に買ってよかったとメッセージをいただけると本当にはげみになります。
今後も妥協せずに品質とデザインは追及していきます。
仕事をするうえで大事にしていることは「自己表現」です。
これまでの仕事などを通じて感じてきたのが、
ヒトはヒトについていく。ということです。
モノでも誰がどのように作っているか、表現しなければ伝わらない。
百年木材を通して自分自身を表現するという観点でいうと、
発信がまだまだ足りていません。
昨年にプレスリリースを報道関係の方にお送りし、
結果としてテレビ出演などにもつながり、
宮崎県内での認知および知名度は拡大しました。次は県外ですね。
とはいえ、プレスもやみくもに送ればいいというわけではない
という点には留意しています。

R:最近嬉しかったことについてお教えください!

H:秋にクラウドファンディングが目標達成したことです。
始めたばかりの事業ですが、
私たちの思いに共感してくださる方が、
たくさんいて、自信に繋がりました。
そして昨年末にヒノキ・栂の木の鏡餅が
店頭で売れて反響が良かったこともですね! とある先輩に
「ここ(社内)におっただけではモノは動かんぞ」と言われて
自治体と全国展開されている本屋さんが協
業されている店舗さんに 飛び込み営業をかけたところ、
販売アイテムとして採用されたんですよ。
多くの方の目に触れるきっかけになりました。

R:さすがの行動力!ヒノキの鏡餅も木目がメチャクチャ生きてますね!
そんな林さんが戻られて社内に変化等は生まれましたか?
また、コロナの影響は追い風、逆風、どうだったのでしょうか。

H:会社的には盛り上がっている印象を受けています、 製材部
門も百年木材がメディアに取り上げられている様子などをみて、
新しいことがなんかはじまってるぞ、
と感じているのではないでしょうか。
百年木材チームは やるべきこと が明確になり、
スピードも上がってきました。
コロナ禍の影響でいいますと、
ウッドショックで国産材は追い風と言われています。
外国の木材が入ってこないことで、国内の木材が上がっているそうです。
状況は流動的なので、会社全体でアンテナを張っているところです。

R:林業にとって、SDGsなどって、どんな感じでしょうか?

H:林業という観点でいうと、そもそも林業自体においては持続
可能な仕組みができていま す。 その中で百年木材としてできるこ
ととしては、端材も含めて、木材を有効活用すること、永く使える
良い物づくりを追求することです。 ワークショップなどを通じ
て、発信も強めていきたいです。

R:株式会社グロースリングを「〇〇業」と表現するとすると、
何業になりますでしょうか?
また、林さんにとっての百年木材とは?についてお聞かせください。

H:「エンタメ業」ですね、表現の仕方は異なりますが、ダンスなどと同じです。
木製品を売るということではなくて届いて箱を開けたときの感動、そこですよね。
木材とデザインの力で、お客様の心をくすぐりたいですね。
自分にとって、という観点でいいますと、百年木材は私自身であって、
自己表現のためのステージである、と考えています。
そのためには、商品の伝え方、ワークショップなども含めて、
表現方法について、学び続けていく必要があります。

(編集後記)
インタビューを通じて、林さんのエネルギーを常に感じていました。
雑貨店での樹脂製の商品を価格競争の最前線で取り扱いしていたこと、
その後のダンサーという形での自己表現のご経験、
それらが全て、今につながっているんだな、という印象を受けました。
その林さんのエネルギーが社内を明るくしているんでしょうね。
クラウドファンディングにも挑戦したり、と、
自分自身と表現された百年木材がさらなる輝きを放つために、
今後も様座穴ことにチャレンジされるであろう、林さんの今後が楽しみです!!!