SDGsな川越のギターショップ、T.S.G.楽器店に行ってみた(中編)

SDGsな川越のギターショップ、T.S.G.楽器店に行ってみた(中編)

▼前回のおさらい

川越にあるギターショップT.S.G.楽器店さん、
そのOPENにいたるまでの経緯やお店のキャラクターについて
少し触れたところで、前回は終了となりました。

今回はより、本質に触れていきます

R:REUSED
T:T.S.G.さん

▼コロナの影響

R:楽器の世界も奥行が半端ないですね・・・
少し話題が変わりますが、コロナ禍での変化などはありましたか?

T:ありましたね、マイナス面でいうと、お店でのお客さんの滞在時間が減りました、
おそらく感染への警戒心などが働いて、だと思います。
プラス面もあり、それはおうち時間の影響でアコースティックギターの動きが
活性化した、ということですね、実際に人気のユーチューバーが使用しているギターが
話題になって、廃盤から再生産に格上げされた、なんて事例も出てきています

R:おうちギターですね、他にも去年からトレンドなキャンプとも
相性良さそうですもんね、他にも変化はありましたか?

T:修理依頼が増えました、中でも多いのが、久しぶりに押し入れから
ギターを引っ張り出してみたら、故障していて、それを直してほしい、的な。
今日もそういうお客さんがいましたが、本当に増えています。
他店ですと、買取の依頼も増えているみたいですよ、

R:押し入れから、なんとなく画が浮かびますね・・・
大変な概況ではありますが、おうちで過ごす時間が楽器によって
少しでも楽しくなるといいですよね、買取のところは換金目的が
増えているのかもしれませんね、

T:おうち時間の部分はまさにその通りで、修理される方だけでなく、
初めて買われる方も多いんですよ、でも買われた方が一番困るのって、
何から始めていいか分からない、ということなんですね、
そこで我々は、スクーリングも毎週火曜日に行っています、
初心者だけではなくて、上級者も楽しめる内容にしています、
買取のところは、これまでには来なかったような
高級機種も多いみたいなので、換金目的でしょうね、

R:スクーリング、いわゆる「コト消費」じゃないですか!
実際にどれくらいの方が来られてるんですか?かつ、
どんな方が参加されてるんですか?

T:参加人数は5名~7名くらいですね、それ以上になると密になってしまうので、
MAX7名にしています。初心者から、こっそりプロも参加したりしています、
うちのスタッフが、休日には1日中ギター弾いちゃうくらいのプレイヤーで
プロもその演奏に衝撃を受けたりしてます、でも初心者の方には
分かりやすく、少しずつ前進できるように考えていまして、かなり好評ですね

R:プロと一緒に学べる、メチャクチャ贅沢な経験ですね、
プロの方も来られるお店なんですね、すごいな・・・

T.繰り返しになってしまいますが、うちの売りは「技術」でして、
プロの楽器のメンテナンスも受けています、
今、来てくれているプロの子は高坂時代から来てくれていて、
プロのバックで演奏している姿をテレビなどでも目にしますよ、
プロと高校生の共演とか面白いですよね

R:それは素敵なご縁ですね、少しずつ分かってきた、
T.S.G.さんは単純にギターを売っているわけではなくて、
ギターを取り巻く世界観を扱われているんですね、
その中で良いものはメンテナンスして大事に使い、
より愛着をもって長く使えるようにレリック加工したり、
はたまた、買った後のお客様への伴走をスクーリングを通じて行ったり、
T.S.G.は楽器店ではなく、T.S.G.というオンリーワンの事業体だ!

T:おっしゃる通りで、T.S.G.はギターに関わる様々なサービスを
提供しています、何屋と聞かれると、「楽器屋」とは言いますが、
どうすれば、お店の良さをうまく伝えられるかと、
インスタやツイッター、グーグルマイビジネスも活用して、発信を強めてます!

▼SDGsとギターの関係

R:カチッとはまる表現が早くできるといいですね、
話題を少し変えさせていただいて、SDGsだったり、環境というのが
最近のビジネスシーンのトレンドですが、そのあたりは楽器業界にも
波及していたりますか

T:実はギターにもその流れは来ていまして、
例えば指板などにも再生素材が使われるようになってきています、
その他インレイなどにもハイブリッド素材が使われています、
塗装剤もそうですね、ケミカルなものより、自然由来のものが増えてきています
例えば、ギターにはブラックパーツと呼ばれるものがあり、
欧州でのリサイクルにおいては、金属を一度土に埋める、という工程があるらしい
(おそらくは微生物による浄化のため)のですが、このブラックパーツは、
土に埋めても浄化されないということで、使用が控えられるようになってきています。

R:ギター本体も、かなり変化してきていますよね、
これまで使えていたモノに待ったがかかったり、

T:環境への配慮をせずに、売れるからという理由で、
伐採をし続けた、そのツケですよね、その代表格とも言えるのが
ブラジリアンローズ(ハカランダ)ですよね、
今ですと、マホガニーなども南米のものは使用を控えられているようです。
実は木材って、ギターだけではなくて、家具などにも使われるので、
一概にギターだけが悪い、とも言えないのですが。。。

R:ローズウッドの話は有名ですよね、確かに家具も改めて考えると
木材が多分に使われていますね、ギターを取り巻く環境についても、
これまでの経済活動のしわ寄せがきているわけですね

T:そうですね、海外だけの話ではなくて、例えば国内の沖縄でも
沖縄黒檀と言われる材については、三味線に使われすぎて、
絶滅危惧種になってきています、メーカーによっては、アフリカなどで私有地に
大規模な植樹をして、材料の確保に動いている、というような話も耳にします

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(取材後記)
SDGsや環境とギターにまさにこんな関連性があるとは、
まだまだ続けたいところですが、誌面に限りがあり、
後編にて続きを書かせていただきます!