日本のリユース産業を支える「浜屋」さんがWEB3.0でリユースの真の価値を提供する!

日本のリユース産業を支える「浜屋」さんがWEB3.0でリユースの真の価値を提供する!

今回は株式会社浜屋の小林さんに
お話をお聞かせいただきました。

浜屋さんはおそらく日本のリユース業界に
在籍する人間であれば、
誰しもが知っている企業と言えると思います。

リユース業界の中でも静脈を担う浜屋、
どんなお話が聞けるのか、楽しみしています

R:REUSED

K:小林さん

昨年を一言でいうと「学」

R:かんたんな自己紹介をお願いします!

K:株式会社浜屋小林一平と申します。株式会社浜屋で取締役として経営企画部を率いています。
経営企画部は新しいことを行っている部署となりまして、
既存のリユースリサイクルから派生したビジネスを自社だけでなく、
外部の企業様とコラボレーションしながら行っています。
オウンドメディアも持っており、月間15万PVほどになりますが、
まだまだ認知度は高くありません。ただ、今年入社した新卒の社員さんの中には、
弊社のメディアをきっかけに、弊社を志望してくれた人間もおり、
少しずつ世の中に広まっている実感を得ています。
学生さんや教育関係者が多く見られているようです。
今後の展開も含めて、独自の価値観をどう磨いていくか、日々考えています。

R:浜屋さんの事業内容についてもお教えください

K:全国の16拠点でリユース・リサイクル業を展開しています。・
取り扱う商品は家庭、オフィスから出てくる不要な家電、家具、雑貨、その他さまざまなアイテムで、
それを東南アジア・中東・アフリカなど発展途上国へコンテナで輸出し、
現地で寿命いっぱいまで使ってもらっています。。
リユースリサイクルが難しい家電については、都市鉱山事業という形で
希少金属を取り出して、それを精錬工場に販売しています。
また、ブラジルにも法人があり、現地で仕入れた基板を日本に輸出しています。
海外の人口78億の市場が大きいですよね。日本には優れた精錬技術がありますが、
今は、労働集約的な中国への輸出が行われています。
日本に入れられれば、環境負荷も低いやり方で取り出せる量も増やせます。

R:勉強熱心な一平さんですが、
今もっとも関心をお持ちのトピックスについてお教えください

K:世界情勢は気になります。俯瞰的に見ると、起きている事象は原因と結果の繰り返しです。
色々な物事が重なって起きている。偏った見方ではなく、多面的に見る。
これはビジネス全般について言えることだと感じています。
そして、自分自身の立ち位置にも戻りつつ、今できることについて考えている。

R:昨年1年を漢字1文字で表現するとどんな漢字に集約されますでしょうか?

K:「学」ですね。昨年1年間多くの研修を受けました。
モノの見方、学びへの姿勢が1年間で変わりました。そして、目の前の課題ともどう向き合っていくか。
一番印象的だったのは、「自分とは何なのか」「人間とはどういう思考をしているのか」というテーマで、
他人を100%理解することはできないが理解しようと努力することの重要性、
誰でも不完全であることを前提に考えるようになりました。歴史に学ぶ、という言葉がありますが、
歴史上の事象は全て人が行っていることですからね。

R:一見、リユース・リサイクルには
追い風が吹いているようにも感じますが、実際のところはいかがでしょうか?

K:短期的なところでいうと追い風が吹いています。資源価格が高騰していますし。
社会的な流れの中で、モノを大事に使うというリユース文化の定着も
CtoCアプリの隆盛からも感じられることです。
一方で長期的な視点で見ると、危機感がそこにはあります。
我々の事業は大量生産大量消費の基に成り立っているわけで、
例えば所有から利用に経済の在り方が変わるとすると、そこでどのような立ち位置をとるべきか。
国内がダメでも海外があるよ、という声も聞こえてきそうですが、
途上国も豊かになり、生活水準も上がる中で持続可能性を上げていく必要があります。
必ずしも、日本と同じ道を通る必要もないと私は考えます。
例えば、日本では固定電話から携帯そしてスマホへと移行しましたが、
いきなりスマホという国も当然あります。お金についても、銀行口座を創るなどではなく、
フィンテックのアプリケーションを使う。いわゆるリープフロッグですね。
モノに関しても、必ずしも大量生産大量消費を通らず豊かになる可能性も十分にあり得ます。

R:地球温暖化でしたり、脱炭素でしたり、
色々なことが世の中で叫ばれておりますが、一平さんがお感じになられることなどありますでしょうか

K:2021年と2022年とでは肌感覚が著しく異なっています。
昨年秋にCOP26でグラスゴー合意にて
世界で団結して取り組んでいこうという流れができましたが、
今ではそこから全く雰囲気が変わってしまいました。
足元を見たときに電力が不足するなど、脱炭素社会への移行よりもエネルギー不足など、
別の問題に焦点が当たっている印象があります。
これまでのグローバリゼーションの限界が来ているのではないかと感じています。

エコシステムの創出

R:2030年はSDGsのゴールイヤーで世界的にみても、節目の年となります。
一平さんにとっての「SDGsとは」そして、
2030年をどのような形で迎えられるとハッピーか、についてもお教えください!

K:SDGsについて、意義がある取り組みだと私は思います。
世界が課題を抱えている中でゴールを設定して一致団結して
その解決に向かう姿勢をコミットして動いていることに意義があります。
様々な声が上がっていることは事実ですが、それでも私は意義があると考えています。
ただし、実際にゴール17をすべて達成というのは難しいでしょう。
目標を設定して、その達成に向けて動いていくわけですが、
大事なのは理想をかかげて、そこに向かう過程ではないでしょうか。
2030年段階ですべての課題が解決されるわけではないでしょうから、
そこで見えている課題をその後に活かせればと思います。

R:浜屋さんを〇〇業と表現するとすると、何業になりますでしょうか?

K:その問いにはまだ、はっきりとした答えがありません。
価値と価値を必要としているヒトの架け橋業とでも表現できますかね。
例えば私が今マウスを使っているわけですが、使用価値があるから使っているわけです。
これがある日いらなくなったとしても、他の人からすると価値がある。
それは国内でも国外でも関係ありません。
日本人は必要としていなければ、必要としている国に送り限界まで使ってもらう。
埋めたてられると価値が全くなくなってしまいます。
昔の東インド会社の話ではないですが、商売のセオリーは必要としているヒトとモノをつなぐことです。
実際に浜屋もお客さんに支え続けられている。
買い子さん、回収業者さん、バイヤーさん、との関係、つながり、信頼関係のネットワークが
何物にも代えがたい経営資源です。例えば、我々が高く買取できることが、
お客さんの仕事の獲得にもつながりますし、海外向けの商品を購入してくださる
バイヤーさんは浜屋の商品を基に現地でビジネスをされています。
ただ、仕入れて売る、のではなく、エコシステムの創出を行っています。

R:最近嬉しかったことについて教えてください!

K:経営企画部での仕事の中で、小さな成功体験です。
エコトピアという自社メディアをきっかけに浜屋を知ってくれた方が新卒として入社してくれたり、
新規事業のサービスに寄せられたお客様からのメッセージでしたり、、
モノに対する想いについて知ることができた。善意に頼り切るという世界観も悪くないと。
関心ごとを1つ思い出しまして、それは「WEB3.0」です。
これを活用してリユースの真の価値を提供できないか、と考えています。

R:浜屋さんが目指す100年企業へ向けて必要なことはなんでしょうか?

K:常に成長し続けることです。
それは会社が大きくなる、ということではありません。
個人としても組織としてもここくらいでいいや、と思うと衰退がはじまりますし、
長期的に見ると会社がダメになる原因にもなりかねません。常に上を見続けることです。
過去の成功体験への固執も今の時代はリスクになります。
理念は絶対にぶらすことなく、時代に合わせてやることは柔軟に変えていく。
それが100年企業になるために必要なことと考えています。

(編集後記)

誰かの不要を次の方の必要にする、
国境も超えて、それを体現されているのが浜屋さんです、

企業としての在り方を日々考えながら
事業を進められている小林さん、

今後のご活躍も楽しみです!