人類の進化の一翼を担う学びを提供する、塾を卒業する学習塾を経営されている歌崎さんに話を聴いてみた

人類の進化の一翼を担う学びを提供する、塾を卒業する学習塾を経営されている歌崎さんに話を聴いてみた

歌崎さんとは、私が日本エフェクチュエーション協会に関わったことがきっかけで、
ある事業プランを日本エフェクチュエーション協会の方に壁打ちしていただいたところ、
是非、ということでご紹介をいただく形となりました。

考え方など、非常に共感できるところもあり、道を切り開くというイメージがピッタリの歌崎さんに
今回は事業に関するお話をお聴かせいただきました。

塾を卒業する学習塾「いま-みらい塾」

早押し学習クイズアプリ「はやべん」

U:歌崎さん
R:REUSED

偏差値40からの京大合格

R:まずは簡単な自己紹介と今お取り組みされている事業ときっかけについてお教えください

U:歌崎と言います。学び方を学ぶ「いま-みらい塾」の経営、早押しクイズ型アプリ「はやべん」を運営しています。起業のきっかけとしては、企業に勤めて11年がかりで自分が会社員には向いていないんだな、ということに気がついたからです。上司の言うことを全く聴かずに、社長に直談判して新規事業を始めたり、会社の中枢にいる方々からは外資系であれば活躍できるのにな、と言われていました。実際にはバリバリの国内企業だったのですが。新規事業も朝5時には出社をして会社の始業時間までに既存の業務を終わらせた上で取り掛かるなど仕事もしっかりと行った上で進めていましたね。

事業として何をしようかと考えた際に、自分自身が高校3年の夏に偏差値40だったところから、京大のアメフト部に入ることを夢見て行った勉強法が非常に良かったことが頭に浮かび、学び方を学び塾を卒業する学習塾を開くことにし、さらにその学習法の一部としてアプリ開発を行うことといたしました。勉強そのものを楽しくするためにゲームの要素を取り入れて楽しめるようにしたり、商品が出るようなクイズ大会を開いたりと、様々な試みをしてきましたね。

R:クイズというアイデアは当初からお有りだったのでしょうか?面白くない暗記を楽しくという価値転換がとても素敵であると思いました。

U:私の学び方の根幹はノートのつくり方にあります。自分の課題だけを集めたノートを創る、例えば、自分がミスした事例などですね。全科目クイズ形式でごちゃまぜに書き、そのクイズに早押しクイズのような形で答えるというものになります。なぜ早押しクイズのような形にしたかというと、当時は1日22時間勉強していたので、とにかくテンションを上げないとやっていられなかったというのもあります。このやり方にどのように行き着いたかというと、少しスピリチュアルな話になってしまうのですが、本気で京大に受かろう、そう思った瞬間に降りてきたんです。後々にある方に自分のやり方がデリバレートプラクティスのようだとコメントをいただきましたが、まさにデリバレートプラクティスそのものでしたね。挑戦して課題を発見して、何が原因で失敗をしたかを分析し、改善方法を考えて集中的に訓練する。

私は覚えることも大事で不可欠なものとして考えています。例えば考える際にも考える材料としては必ず覚えたことを使っています。覚えることによって、「こういう場合は、ほぼ100%こうなる」というものを思考せずに一瞬で判断できるようになり、本当に思考する必要があることに思考力を集中できるようになります。覚えることが不要になったわけではなく、今まで覚えていた内容を覚える必要がなくなっただけで、覚えるべき内容が変化しているに過ぎないと思っています。現に、Chat GPTの内容は覚えようとしているわけですから。

覚えた量が選択肢になり、失敗しても良いから1個ずつ試してみることで選択肢が増える。無数の選択肢の迷路の中で実際に踏み込まないと分からない。にも関わらず、迷路を歩くのを諦めてしまう方が少なくない。1個ずつ試して試行錯誤できれば時間をかけずにゴールに近づくこともできるのですが。私は難しいことをやらない、ということを大事にしており、専門分野においても一定の研究成果もあるようなのですが、理解できるか理解できないかの境界線的な内容ではなく、簡単なことを行いスピードを上げていくという方法を推奨しています。難しいことの一例として、英語でCan I?(●●してもいいですか?)という表現がありますが、この場合はCan Iか、I canかなどをいちいち考える必要はなくて、語尾を上げれば疑問形になる、シンプルに考えましょう、ということですね。

R:コロナ禍でオンライン学習などの新しい潮流が生まれましたが歌崎さんのビジネスにおいて変化はありましたでしょうか?

U:コロナのタイミングで2020年の4月に学校が休校になりました。はやべんのアプリはなんと2020年の4月1日リリースしたんです。リリースして直後に経済産業省が子供にEラーニング教材を紹介しているタイミングがあり、そのページに掲載してもらえればアプリが拡がるのでは、そのように考えました。最初は経済産業省に断られましたが、何度もアプローチをして、結果的に掲載してもらうことになりました。LINEの友達も10,000人ほど増えましたね。今は14,000人ほどおりますがほとんどの方が無料会員で、ToCの学習アプリは有料化が難しいと言われているのですが、弊社もご多分に漏れずでして、法人向けの需要を取りに行くようになってきています。

学ぶ上ででの大事なこととは

R:認知症予防、などのキーワードも目にしたのですが、すでにお取り組み等しておられるのでしょうか?健康寿命の延伸は今の日本の社会課題ですもんね。

U:認知症については、エビデンスがしっかりとしていないと、なかなか大々的に謳い出すことが難しく、あまり声を大にして発信してはおりません。しかし、クイズに早く答えるということが認知症の予防につながったり、サービスをご利用いただく中で、認知症の兆候のキャッチができるなど、の利点は実際にあると考えています。

R:実際に事業を進めていかれる中で、お気づきになられたことや、お客様から頂いた声、
さらには最近あった嬉しいことなどについてもお教えください。
また、歌崎さんを動かす原動力が何か?についてもコメントをいただけますと幸いです!

U:教育というものを私は行っているわけですが、元々できると言われる人と、そうではない人が存在することは事実であると感じています。それを分ける境目が何なのか、個人的な見解にはなりますが、未来を想像する力と過去を振り返る力をもっているか、特に未来を想像する力ですかね。その真理を掴みたいというのが原動力になっています。偏差値という指標がありますが、それよりも大事なのが目標を達成するまでやり切れるかです。偏差値はあくまで満遍なくできているかの指標で、例えば受験においてはこういう問題を出しますよ、という情報が提示されているわけで、それに対してやることを決めて徹底的に行動し、合格ラインを超えられるかが求められるわけですが、つい色々なことに手を出し決められない人が居ます。
先生がこう言っているし、友達がこうしているし、などに流されてしまうわけですね。従順ゆえの思考停止状態。。。

教育産業においては、これをやっていれば受かりますよ、というアプローチをとっているわけですが、本来は自分で考えて決めることが重要なんです。セミナーや教育講座においても皆、メモを真剣にとってくれていますが、それを見返す人ってほとんどいないんですよね。行動に目的がない。それならば、メモなどはとらなくてもいいので、自分自身の行動変容につながるような気づきを得てほしいです。話している私に対するアンチの気持ちでもなんでも構いませんので。それくらい自分で考えて、行動するというのは大切です。

R:最後に、2030年がSDGsの一応のゴールイヤーとも言われておりますが、
2030年をどのような状態で迎えられているとハッピーでしょうか。今後の野望的なモノもお教えください!

U:私は長期計画は立てないタイプなんですが、学び方を教えるということがスタンダードになっており、人類の進化の一端を担うものになっているとするとハッピーですね。学び方を学ぶ機会を提供するということに関して、ビジネスとしてうまくやるということの優先順位は自分の中では低いんですよね。
ただ、教育事業に限らず、活きていく上で必須のスキルであると確信していますので、1人でも多くの方に届けたいと考えています。