パラフェスを全国に!岡山のありがとうファームさんにお話を聴いてみた(後編)

パラフェスを全国に!岡山のありがとうファームさんにお話を聴いてみた(後編)

前編では、ありがとうファームさんの事業や、
在り方について、お話をお聞かせいただきました、

前編はコチラ

最後に木庭会長からいただいた
1つの投げかけから、後編はスタートいたします。

パラフェスは1年間の通信簿

K:1つ、最近あった笑い話をしてもいいですか?

R:是非、お願いします!!!

K:岡山に本社を構えられている上場企業の
社長さんがお越しになられました。
うちのメンバーの様子を見て、想像との違いに驚かれていました、
そこで私はその方に伝えたんです、
「御社の顧客はここにいるメンバーですよ」と。
すると、その社長は目を丸くされていました。
実際に、うちのメンバーには、その企業が扱われているような、
ジャンルの商品を嗜好するメンバーが少なからずいるんですよね、
そのマーケットに目を向けること、そのマーケットに気づくこと。
ご時世柄、ESG投資などもよく目にしますが、そこにもつながりますよね。

R:確かにおっしゃる通りで、目から鱗です・・・
木庭会長のマイルール、や大事にされていることについて
教えていただけますか?

K:大事にしていることでいうと、
「正直であれ」「イメージすること」ですね。
気づける力もイメージ力ですよね。うちは基本的に自由なんです。
ただ、その中でも、理念、ビジョン、ミッションは大事にしてほしい。
先日、見てもらったパラフェス後に毎年、
幹部陣に1年間の方針を考えてもらうんです。
具体的に、この1年間何をしていくか。

R:ありがとうファームさんは実は創業が2014年なんですよね、
もっと長くやられている印象でした。。。

K:実はうちは営業という営業はしていないんですよ、
守って、創って、社会にどう見られるか、
どのように認知されるか、を意識し続けてきました。
うちのレンタルアートには、作者のネームやストーリーを
見られる仕掛けを施しています。
導入を検討される企業様も社内でどのような
バックグラウンドを持つアーティストを支援しているのか、
という共有ができるんですよね、こういったことって、とても大事だと思います。
また、10000円のレンタルアートの場合、
7000円がアーティストの手に渡る仕組みにしています。
アーティストのアートによる収入での自立を促進できるよう、
共感いただけるパートナー企業様を増やしているところです。

R:パラフェスについても、少しお聞かせください

K:パラフェスは1年間の通信簿のようなものですよね、
1年間の成果のお披露目の場、
各チームで集まって、どのような内容を発表するかを話し合ったり、
動画については、3か月前くらいから内容を決めて制作していますね、
リハーサルも1か月くらい前からは、やった方が良いと伝えています。
B:今年は2週間前に行いました・・・

「自分の住んでいる地域のどこに子供食堂があるか」

R:理念、ビジョン、ミッションについては、
弊社でもすぐにはそこまで行きつけませんが、
会社としてどういったことを大事にするか、今期内に決める予定です。

K:一度、御社の幹部メンバーにこのように聞いてみてください。
「自分の住んでいる地域のどこに子供食堂があるか」
「自分の住んでいる地域のどこに児童養護施設があるか」
お子さんをお持ちのお母さんは存在は知っていると思いますが、
旦那さんはまず知らないでしょう。
また、私自身、入院している時に、小児がんのお子さん向けの
院内学級というものがあることを知り、驚きました。
「知ること」「気づくこと」は大事ですよね。
例えば、御社で販売されているギターについて、
売上の3%の寄付付き商品として販売する、など
取れる手段は色々とあるわけなんです。

R:なるほど、知ることの重要性ですね

K:そうです、そのために職員の幅を拡げていくことが
ポイントになってきます。
各職員が自分の世界、人脈、ヒトとしての幅を
もってくれると、会社としの厚みが出ますよね、
在り方は強制するものでもないし、
独裁国家ではうまくいきません、
誰もアイデア等を言わなくなりますよね、
幹部がしっかりと運営を行い、
合議制で物事を進めていくのが、大事だと感じています。

R:コロナ禍等で、変化等はありましたでしょうか

K:私自身が引退して感じたのが、活かされている、ということで、
以前は給料を払ってやっている、というような
考え方をしている時期もありましたが、
今は皆が働いて得た収益を基に、
治療代や生活費をもらっているわけで、考え方も変わってきましたね。

R:これからを担われる木庭さん、馬場さんに
会長が期待されている点についてお教えください!

K:木庭(康輔さん)には話していますが、
木庭(康輔さん)の得意なことは事務局的な役割で、
アートでいうと、他に得意な社員がいます。
そんな社員が居たいと思え、成長できる
そんな会社をつくってほしいですね。

馬場には、福祉という中で、
企業との関係性をつくり、その中で
経済性も設計できる人間になってほしいと考えています。

そのために、木庭には、日創研の経営研究会、
馬場には経済同友会、今日はいませんが、
アート事業に関わっている深谷には大学の非常勤講師
というフィールドで学びを深めてもらい、
それをありがとうファームの今後に生かしてもらいたいです。

涙する見学者

R:確かにその「知の探索」は事業にも活きそうです

K:つい最近も国内の大手旅行会社から研修の依頼を受けました、
SDGsについて、ということで。
普段から、うちの馬場も大学生に講義などしています。
当然、うちのメンバーもその研修には参加します、
おそらく先方も驚かれると思います、その積極性に。
メンバーは世の中的な知識などは少ないかもしれませんが、
各自、まさに自分たち自身の原体験をもっているので、
まさにSDGsでいうところの「誰一人取り残さない」に
あたると思いますが、ヒトに優しいんですよね。
そして、メンバー自身、SDGsについて学びたい、そう考えているんです。

R:すごい化学反応が起きそうですね、予定調和ではない。
そこで感じたことはSDGsの本質的理解につながる印象です!

K:まさにそのとおりで、うちにはよく見学させてほしい、
ということで、他企業様からオファーがきますが、
皆、お越しになられると驚かれますね、
イメージと全然異なる、と。中には涙される方もいらっしゃいます。

R:木庭会長から見て、今のありがとうファームは、
ゴールを100点としたときに、何点くらいの状況でしょうか。

K:30点くらいですね。本にも書いている通り、私は病気をした時に、引退を決め、
そこから2年経過しています。そのなかで、私(木庭会長)が居なくても
回るように、と体制づくりをしてきました。
ありがとうファームを岡山の市民、そして表町の商店街にとって、
なくてはならない存在に、100年先も必要とされ続ける、
そのような会社にしてほしい、それを基準に考えると
まだまだこれからです。本社ビルも商店街の近くに
移転させないといけませんし、岡山芸術創造劇場さんとも、
もっとリレーションを深めて、先方にとっても
無くてはならない存在になる必要があります。

R:最後に今後の野望について、馬場さん、木庭(康輔)さん、木庭会長
それぞれお教えください

B:パートナーシップ推進室ということで、
ありがとうファームの理念や共生社会の実現に
貢献していきたいと考えています。
この1年でまず実現することとしては、
EXPOでご縁のできた愛知県で共生社会創造パートナーをつくり、
パートナーシップの全国展開への足掛かりをつくることで、
クライアント企業様のSDGsの取り組みをフォローしていくこと、です。

P:ヒトの想いや可能性、を信じられる会社にすること、
そして、イオン、芸術創造劇場でのパラフェスを満席にすること、
この1年でまずは、パラフェスを全国展開する足掛かりをつくります。
また、飲食店6店については自分の給料を自分で稼げる環境づくりを推進します。
就労継続支援B型には思い入れがあり、こちらも事業を前に進めます。

K:入院している時に皆への手紙のつもりで、執筆していた文章を、
地元の出版社の方が書籍化しようということで、本にしていただいたものを
NHKの方がたまたま見てくださったことがきっかけで、
新たな動きができたり、入院していなければ、
今日のこの状況にはなっていないわけで、
不思議な縁というものを感じます。

~~~~~~
(編集後記)

私(編集長)自身、普段は取材前も
あまり畏まることはありませんが、
今回の取材においては、康輔さんから様々な
木庭会長の武勇伝なども聞いていたせいか、
柄にもなく、少し構えておりました。

しかし、インタビューが始まった瞬間から
全てが杞憂となりました。

私がパラフェスを見て、率直に感じたのが、
・関わるヒトすべてを幸せにする会社さん
・関わるヒトすべてを心からの笑顔にする会社さん

それを創り上げられたのが、木庭会長で、
今後、引き継いでさらに発展させていくのが、
木庭康輔さん、馬場さん、深谷さんをはじめとする方々、

営業はしていない、というお言葉がありましたが、
営業するよりもむしろ、最短時間で現在地まで
到達できている不思議な印象を受けたこと、

木庭会長は定性的なだけではなく、
むしろ定量的な側面についても、
しっかりと抑えられている、

温かみの中にも、いい意味での厳しさを
持たれている、そのような印象を受けました。

限られた時間がさらに短く感じるほど、
充実したお時間でした。

木庭会長の書かれた書籍が
こちらからもご確認いただけます。
https://drive.google.com/file/d/1x589AM9nVJihk_RhEJUoR7Li4wQs86cz/view

今回の取材だけでは、
ありがとうファームを語ることはできません。

是非、書籍もご覧になられてください。

そして、私(編集長)は木庭康輔さんとは、
生涯にわたる同士であり、

今後も、切磋琢磨し続けます!