~心を育てる靴づくり~元靴職人の私は、過去の想い出をリユースする

~心を育てる靴づくり~元靴職人の私は、過去の想い出をリユースする

私は靴づくりを今もしています、
元々、靴職人を目指して上京し、

一度、その夢は破れました、
諦めました、

が、3年前くらいでしょうか、

やはり靴づくりがしたく、
国立にある土屋総さんの元を
訪れて、ご指導をいただくことといたしました、

一番最初は
自分のための靴をつくり、

その後は、家族のために、

それからは知人の靴を
創り続けています、

つい先日完成させた靴は、

小学校の同級生のために
制作した1品で、

コチラは元ネタ


今、沖縄にいるその子が、
なんでも以前、非常に気に入っていた1足で
限界まで履き続けたモノの、
それ以上は履けなくなってしまった

という1足、

色々なお店で探し続けていたが
良いものが見つからず、

少し途方に暮れていたところ、
私が靴づくりをしているのを知り、

ダメ元で、ということで
オファーをいただきました、

嬉しいです!こういう話、

それはそれは燃えますよね、

靴の元ネタを送ってもらい、
それを基に作戦会議です、

私自身がこの人のために
靴づくりをしたい、

純粋にそう思える相手の靴を制作しています、

心を育てる靴づくり

早速、取り掛かります、

最初はつま先が少し
とがったラスト(木型)を使用し
仮アッパーの作成までいたしましたが、

なんかしっくりこない、
カラーが金でつま先がとんがっていると
少しギャル感が強いので、

ラストを変更、
少しラウンドトゥと言われる

つま先に少し
丸みのあるモデルにいたしました、

シンプルなアイテムなので、
ミシンワークも魂と神経を込めて、

ステッチワークは比較的
うまくいきました、

仕様はダブルステッチから
シングルステッチに変更、

都度、進捗を共有させていただきながら
つくるのが、

私のスタンスでありますが、
皆、それも楽しみにしてくれています、

この時も、オリジナルとの仕様の
違いについては、

相手にオッケーをもらいながら
進める形となりました、

大量生産大量消費、
全産業関わらず、

それが当てはまるこのご時世に、
自分のためだけにつくられるものを
手にする人がどれくらいいるでしょうか、

大抵は、自分でも他のヒトでも
極端な話、買ってくれればいい、
という形で企画され、販売され、
販促されたアイテムを買っているはずです、

私はスーツはオーダーですが、
やはり自分のためだけのアイテムは
身に着けるだけで、気持ちが入ります、

なぜならば、
私が着る為だけにつくられているからです、

私が着るにいたるまでの工程に想いをはせると、
身が引き締まります、

話を戻しまして、

靴の製造工程自体、
なかなかご存知の方も居ないと思いますし、

自分のための靴が
完成に向かい成長していく様は、

待ち遠しくて、待ち遠しくて
仕方がないと思います、

特に、底面の加工などは、
普段は地面に向いている場所ですので、
靴づくりに触れることがなければ、

ほぼ知ることはないでしょう、

自分のために、の話を1つ、

そうそう、例えるならば、
誕生日ケーキだと分かりやすいかもしれません、

市販のケーキも当然綺麗で美味しいです、

が、手作りのケーキ、

見た目は市販のものに比べると当然さがりますが、

とても美味しく、そして、
美味しいという感覚以上のものを感じさせられる、

そんな経験をされたことはないでしょうか、

その感覚に近いかもしれません、

トレーサビリティなのか、
レコーディングなのか、

自分のためだけのバリューチェーンです、

つくり手としても

1日でも早く、
相手を喜ばせたい、

その笑顔や歓喜のことを
想像しながら、

急ぐ気持ちをグッとこらえて、
少しずつ、制作を進めます、

いわゆるプロセスエコノミーと
言う言葉がありますが、

このプロダクトの価値は
プロセスでしたり、

何のためにつくっているのか、
という意味にあります、

プロセスを知ることで、
着用するたびに、ありがたみを感じられる、

そして、制作開始から約3か月ほど
(実質2か月ほど)でしょうか、

靴が完成し、
沖縄へドキドキしながら
送らせていただきました

気に入ってもらえたようで、
一生大事にする、

というコメントをもらいました

モノを大事にする、
個人間売買もしやすくなり、

二次流通も簡単にさせられる
このご時世において、

意識しないと養えない感覚、

オーダーアイテムをつくる、
というのが、最短コースかもしれません、

私自身はリユースという、
売買の世界に長くおりますので、

靴づくりという趣味を通じて、
モノを大事に長く使う、

という重要なコトにも、
触れることで、バランスをとっています、

左が今回制作したもの、右が元ネタ

この辺りはサイエンスして、
大学の講義などで、教えてあげたいくらい、

ふと、感じましたが、
野菜作りなどもそれにあたるかもしれません

この靴を履くたびに、
沖縄のその子が、単純にファッションを
楽しむだけではなくて、

当時の懐かしい思い出を思い起こすための
スイッチとして、活用してくれると幸いです、

過去の想い出をいい意味でリユースする、
それが今回の靴のプレゼンスかもしれません