残反シルクを活用したアップサイクルブランドNEYIを立ち上げたMBAホルダーのLilyさんに話を聴いてみた

残反シルクを活用したアップサイクルブランドNEYIを立ち上げたMBAホルダーのLilyさんに話を聴いてみた

NEYIのLilyさんとは、原宿のレスレで開催されたアップサイクルイベントで知り合わせていただきました。
アパレルでのキャリア、MBA取得、そこからのアップサイクルブランドの立ち上げをし、
マクアケでは目標金額を大きく超える応援を集められています。

そんなLilyさんにこれまでとこれからについてお話をお聴かせいただきました。

NEYI:HP
https://neyi-lingerie.com/

マクアケでのPJ
https://www.makuake.com/project/neyi-lingerie/

R:REUSED
L:Lilyさん

アップサイクルはナイトキャップから

R.かんたんなご自身の紹介と現在、取り組まれていることについてお聞かせください!
そして、Lilyさんが活動されるうえで大事になさっている考え方についてもお教えいただきたいです。

L.マクアケというサービスへの商品掲載を機にアップサイクルブランドとして、NEYIを開始しました。
127名の女性の声を基に、自分の肌にもっとも近い衣類であるインナーに関するお悩みの解決や、
より自分を大切にしてほしいという想いから生まれたブランドです。その想いの実現にあたりベストなファブリックがシルクでした。ハイブランドの残反シルク生地を活用して、環境と素肌、双方のケアができる存在になることを目標にしています。アップサイクルブランドとして、まず取り組んでいるのがナイトキャップやまくらカバーの制作です。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、黒人の方々にとってはナイトキャップを使用するというのは当たり前の文化になっています。ブランドをつくるうえで様々な声をいただくことがありますが、アップサイクルへの拘りは大事にしたいと考えています。ナイトキャップやまくらカバーから始めた理由については、あるマーケターの方からのブランディングにあたっては小物から始めてもいいのではというアドバイスを参考に、英国におけるギフト文化なども鑑みて、になります。日本に比べて海外では求められるサイズのバリエーションが多く、インナーからいきなり始めるのは少しハードルが高いだろうと。
アップサイクルに使用する残反は柄が入っているものもあり、ホームウェアになると英国人はコーディネートにもうるさいのでまくらカバーよりはナイトキャップとの相性が良いですね。

R.MBAにはどのような方々がいっしゃったんですか?
Lilyさん以外にも環境に関する事業を構想されている方はいらっしゃったのでしょうか?

L.教育、金融、マーケティング、客室乗務員。財務省など、来ているメンバーは多様性に富んでいましたね。アントレプレナーシップの講義で4~5名のグループでビジネスを考えるというカリキュラムがあり、本来はプレゼンがある予定だったのですが、コロナ禍に影響もありレポートにまとめての提出のみとなりました。したがって他にどんなビジネスプランがあったのか詳細に把握はできていませんが、ストローを使った建築など私の他にもサステナビリティ文脈でのビジネスアイデアを出されていた方はいたみたいです。

R.今の事業を始められるきっかけについてもお教えください!
シルクのアップサイクルというアイデアは元々お持ちだったのでしょうか?
元々弊社のある東松山も養蚕がされていたエリアでして、ご縁を感じますね。

L.自分の人生について考える機会をきっかけに洋服がどうしてもやりたいという想いで
文化服装学院に入り洋服について学びました。服の世界にも様々な職種がありますが、パタンナーなど
大手企業で色々な経験を積ませていただきました。その後はフリーランスでの活動をすることにしまして、
その働き方が自分には合っていて、やりがいも感じられていたのですが、4~5年やると先がだんだん見えてきまして、このままの人生でいいのか、と再度考えるようになりました。
そこで、以前留学した英国への想いがあり英国で暮らしたいということもありMBA取得を決めました。
SDGsという観点でいうと、以前から勤めていたブランドでまだ使ええるにもかかわらず、お金をかけてまで捨てられる残反というのが腑に落ちていませんでした。ただアパレル産業では当たり前なんですよね。
再生(リサイクル)素材について当時の上司に進言しても理解してもらえませんでした。今では外圧もかかりそのような素材を使うという方向性にもなってきており価格も安くなってきてはいると思いますが、当時は生地代でみても2倍ほどになり、経済性のみで判断されると使おう、とはならなかったんですよね。

事業についていうと、MBAの途中からロックダウンが始まりました。卒業後半年でビザが切れるため、
それまでに仕事がないと帰国しないといけなかったのですが、ビジネスのアイデアがあり承認されれば2年間は滞在できるということを知り、そのビザをとるにはどうすればいいかということを考えていました。そのような折に、あるプログラムに想いを込めて応募しました。ビジネスアイデアについてはこういうのがあるといいなという着想が基になっています。残反の存在も知っていましたし。
プレゼンを進めて結果的にはコンテストで4位になりました。コロナ禍でファッション業界への就職が厳しかったというのも自分でのブランド立ち上げをしたことにつながっていますね。

アップサイクルプロダクトにおける課題

R.アパレルの残反のお話が印象的だったのですが、
私もアップサイクルに取り組んだことがあり製品化の難しさをその際に痛感いたしました。
実際に商品化のプロセスにおいてはご苦労などがお有りだったのではないでしょうか?

L.アップサイクルにおけるハードルとして縫製があります。そもそも外部の生地は受け入れないというところや、外部の生地を受け入れてくれる工場もありますが、生産性が高いとは言えませんね。
1人でアトリエをしている知人たちと話をすると自分で縫いなよと言われることがありますが、自分は職人ではないという自覚があり、自問して返ってくる答えは、自分がやりたいのはモノをつくることではなく、ビジネスがしたいということなんですよね。そこで苦戦するのが縫製工場探しなんです。投資家にインベストしてもらう際にもスケーラビリティを示すことが求められますが、どのように事業の可能性を示すかという点は悩ましいところですね。

また、残反の仕入れを例えば海外から行うとなると輸送コスト等がかかるために価格がどうしても高くなってしまいます。同じ価格であれば環境にいい製品を皆選ぶとは思いますが、そうではない場合には選ばれにくくなります、そこで選んでいただくには、希少性などを打ち出していくことが求められていると思っています。
価値観という観点でいうと、日本は便利すぎるんですよね。かつそれに慣れてしまっている。

R.最近あった嬉しかったことについてお教えください!
また、Lilyさんが今、関心をお持ちのトピックスなどもあれば重ねてお教えください!

L.嬉しかったこととしては、リピーターの方ができたことですね。おそらくは自分用の他にプレゼント用に買ってくださったのだと思います。関心事としては、いかにブランドを創るかという点で、マーケティングの本を読むなどして勉強中です。ロンドン発の風呂敷バッグを展開されているROOPは参考になると感じていまして、ペルソナは若者にしていると思うのですが、アップサイクル的な要素もクリエイティビティ的な要素も包含されています。インスタなどのSNSも活用しながら、自分なりのブランドイメージをどう構築しようかと模索しているところとなります。ビジネスを始めると想像以上に色々な事がありますね。ECサイト1つをとっても財力が必要となりますし、ここまで時間がかかるものとは思っていませんでした。

R.最後に今後の目標についてもお聴かせください!
2030年にSDGsが一旦ゴールイヤーとなりますが、どのような状態で迎えられるとハッピーでしょうか?

L.ブランドのサステナビリティとアップサイクルの実現ができている状態ですね。
事業を通じて雇用の創出を実現し、自分自身の人生も豊かにすることができればと考えています。
発信においてもそうですが、テイクより先にまずはギブをということは心がけていきたいです。