リユース産業の真の提供価値
私が属しているリユース業界は、
巣ごもり需要などの外的要因もあり、
2022年に3兆円と言われる産業に成長いたしました、
比較でいうと、百貨店業界が4兆円と言われております、
中でも伸びているのが個人間取引です、
モノとお金を交換する、という観点でいうと、
個人でもできることがどんどん増えており、
リユースを事業者としてやる意味は?
という点が問われています、
先日紹介させていただいた浜屋さんのように、
海外へのコンテナ出しによるエコシステムの創出、
なども企業でないとできない価値提供にあたると思われます、
都市鉱山やマテリアルリサイクルもそれにあたりますね、
よりエンドユーザーに近いビジネスを行っている企業において、
これから必要になってくる考え方としては、
想いを受け継ぐ、ということではないかと最近考え始めました、
モノという観点でいうと、
現在80代以上の方が傾向としては、モノを多く持たれており、
そのお子さんにあたる60代の方がそのモノをどうしようか、
かつ自分自身のモノもどうするか、という課題に直面している
ケースが少なくないと見ています、
ただ、約7割の方は生活に困っているわけではないという
傾向があるようで、
モノの整理の優先順位は上位には上がりづらい状況、
お金に困っていないとなると、
買取=換金、などのアプローチが刺さりづらい、
それが事実ではないかと私は考えております、
それよりは、自分にとっては不要なものでも、
どこかで誰かの役に立つならば役立てて欲しい、
でしたり、
想い入れのあるアイテムの想い出を、
なんらかの形で記録にとどめておきたい、語りたい、
でしたり、
機能的価値というよりは情緒的価値、
そこに訴求すべきであると感じています、
そうすることで、サービスをご利用いただくことで、
自己肯定感も増すことになります、
健康寿命という言葉を目にすることも増えましたが、
身体の健康寿命と同時に心の健康寿命も引き伸ばしたい、
それが私の願うところです、
私のつくる靴の情緒的価値
話題を変えて、今は当メディアにも掲載させていただいた
大分の丹羽さんのために靴をつくっているわけですが、
もちろん他の職人さんによる手作りアイテムも
機能的価値でいうと私よりは圧倒的にあることは間違いありませんが、
(靴の見た目や履き心地など)
大学の後輩である私がつくる、という点で、
情緒的価値では圧倒的に私が勝ります、
(見た目も履き心地も適当というわけではない)
なぜ、情緒的価値において勝るかというと、
これまで私がその先輩と共に
過ごしてきた期間が圧倒的に長いからです、
当時の様々な想い出も私の靴により、思い出してもらえるわけで、
想い出のスイッチとしての役割もあるわけですね、
リユースにおいても買取時に
お客様に色々と語っていただくことはありますが、
行動経済学的にはおそらく理にかなわない仕組みになっており、
エモさの後に買取価格の提示という工程があることで、
そのエモさが一気に雲の彼方にとんでいってしまう、
ということが多分にございます、
高価買取します、などの場合は最も顕著ではないでしょうか、
エモさを最後まで維持して、ご利用後に
自己肯定感を増していただくための仕掛けづくり、
承認欲求でしたり、社会との接点を持ちたい、のような
いつの時代も普遍的にヒトが求めていることに訴求する、
その中でテックの力も活用して、
社会実装させられればと思案しているところです、
アプローチの前例がないので、ハードルは低くありませんが、
リユースの真の提供価値のサービス化へのチャレンジを行います!