サーキュラーエコノミーのコミュニティでの出会いをきっかけに、
仲良くさせていただいている新井さん、
環境と人という本格的なメディアも運営されています。
紙業業界に一石を投じるべく様々な活動をされている新井さんに、
お話を伺いました。
新井資材
環境と人
ミュージシャンとMBA
R.かんたんな自己紹介をお願いします!
A.新井 遼一と申します。1985年生まれ37歳、結婚5年目で子供が二人います。
2014年に今の会社に入って丸8年ほどたちます。
その前はミュージシャンでバンドをやっていまして、
ほぼ社会人としての経験はありませんでした。
入社後、2,3年くらい現場をやって、4年目あたりから営業
そして、2018年に役員になるタイミングで経営大学院に通い始めました。
R.事業についてもお教えください!
A.仕事の内容は古紙の卸売りを行っており、創業70年、本社が東京にあり、
埼玉、千葉、茨城、神奈川に支店があり各支店10名ずつくらいで計50名ほどの規模です。
売上高は10~14億ほどとなります。。
弊社は家族経営で、役員が3名、父親が代表をしています。
MBAをいった理由としては、古紙業界がシュリンクしていく中で、
2年間かけて、どのようにビジネスを進めていくかを経営理論を基に考えたかったのと、
財務会計が学びたかったという点が大きいです。
R.MBAの卒業にあたっては、どのような論文を書かれたのですか?
A.古紙ビジネスをどうするか、というテーマで「廃棄物と有価物」について書きました。
廃棄物の管理がしっかりとなされている反面、有価物というものが見えにくくなっていると感じていました。
当時ちょうど中国のプラ規制が問題になったいたんですよね。外部環境一つで、
有価物が廃棄物になってしまう、色々な方に話を聴いたりしながらまとめました。
R.MBAを取得してよかった点はありますか?
A.2点ありますね、1点目はビジネス書の選球眼です。
それまでもビジネス書は色々と読んでいましたが、なかなかピンとこなかった。
MBA取得のために学びを進める中で、ビジネスに効く良書を知ることができたのは良かったですね。
2点目は会計スキルです。ちょうど社内で、自分が会計をしなければならないタイミングで、
机上で学んだ事を参考に、会計処理をやってみるとできたんです。
私が通っていた中央大学のMBAの講師の方が有名なレポートも書かれている方で、
授業も非常に分かり易かったです。経営戦略や、財務、などバランスよく科目は履修しましたね。
R.これまでのチャレンジについてお教えください!
A.アプリ制作ですね、時期的にはMBAをとる前になりますが、
当時IOT創世期で、テクノロジーを業界に取り入れれば勝てるはず、その考えを基につくりました。
が、失敗しまして、現在はサービス提供はしていません。
今もアプリ自体は使おうと思えばいつでも使える状態にしていますので、機会があれば使いたいですね。
その他、人事制度をいじったり、とにかく新しいモノ好きなので、チャレンジしたくなるんですね。
何かアクションを起こせばひっくり返せるんじゃないか、そんなことばかり考えていましたね。
と同時に、同じことをやり続けることへの恐れもありました。
R.社長さんはどんな社長さんなんですか?
A.社長は完全に任せるタイプですね。私が色々なことをしていても、
「儲かるのか?」くらいの確認で、細かく口出し等はしてきませんでした。
ただ、社内における有事の際の行動は迅速で、さすがだな、と感じていますね。
環境と人
R.「環境と人」はかなり本格的なメディアですが、
始められて気づかれた点、得れたインサイトについてお教えください!
「環境と人」を運営するうえで大事にされていることについてもお教えください!
A.初めての率直な感想としては、大変だなこれは、ですね。
取材して記事も書いて編集もしてを1人でやっていましたが、ただ事ではなかったですね。
また、新聞社などのオールドメディアの大変さも分かりました。
今、悩んでいるところがファクトチェックです。
編集長としてどこまでやるのか、というライン引き、これもパワーが要ります。
インサイトに関して言うと、これまでの「環境と人」はベータ版的な位置づけで、
リニューアル後には、これまでの気づきも生かして、広告・広報等、勝負をかけていく予定です。
R.情報過多の時代におけるメディア運営はいかがですか?
A.どうすれば読んでもらえるか、は悩ましい課題ですよね、
そもそも文字コンテンツ自体読んでもらえるのか、などの問いにもつながります。
有名なビジネス情報アプリの中でも、ランキングを見ると
文字や動画コンテンツより漫画コンテンツの方がよく見られているんですよね。
R.やり方にも工夫が必要ということですね
A.なぜ、メディアをやりたいかというと、多くの人に影響を与えたいからなんですよね、
ただ、文字情報だと届かない、そしてマネタイズ部分についても、
音楽に例えるなら、メジャーに行くのか、ニッチに行くのか、
多くの人はまずはメジャーに行って、そのうえでニッチなことをやればいい、
というようなアドバイスを下さるのですが、難しいです。
R.リユース・リサイクルは外部の方からは時代の流れに乗っていると
言われることも多い印象ですが、新井さんはどうお感じになられていらっしゃいますか?
A.感じていますね。自分が入った当初、知れば知るほどこの事業は面白い、と感じました。
だからこそ、もっと業界について知ってほしいと思いますし、
発信しているだけでも問い合わせ等をいただくんですよね。
まだまだ発信しなければいけません。なんとなく皆の頭の中にあるけれど
日常生活の中では最上位に来ないトピックスをメディアを通じて
引っ張り上げるそのようなイメージでしょうか。
R.今、関心がおありの事についてお教えください!
また、最近得られた最も大きな気づきについても合わせてお願いします。
A.動画を制作の感覚もつかめてきました。チームもいい状態です、
「環境と人」を出した後の方が学びが非常に多いですね。。
実践してなんぼといいますか、メディアは名刺代わりに活用していますね。
R.最近嬉しかったことについて教えてください!
事業上、パズルの最後の1ピースがはまったような感覚になった瞬間はおありでしたでしょうか。?
A.最近は先ほども述べさせていただきましたが、動画制作チームですね、
ピースについてはハマって完了というわけではなくて、
最後の1ピースがはまると実はそれがもっと大きな画の一部ということが分かり、
またピースを集めていく、そんな状態ですね。
コンテンツづくりは曲作りにも似てるんですよね。
事業も同じことが言えます。まさにゼロから1なんですよね、曲作りは。
ここ最近でいうと、音の業界も含めて二極化していますよね、
圧倒的なマスをとるか、消えていくか、
爆発力はないけれど持続的なモノ、そういったものが減っている印象です。
目利きが大事
R.2030年が世界的に見ていったんの節目となるかと思われますが、
2030年をどのような形で迎えられるとハッピーでしょうか?
結構SDGsは厳しいのではと感じることもあります。
ただ、SDGsの世界観に向かっていくことは良いと感じます。
この流れが続いていくといいですね。
A.自分事でいいますと、
廃棄物業界にテック、金融など多種多様なヒトが入ってきてくれる状態、
この会社に入りたいという方が沢山いる状態。です。
いつの時代も課題はヒトなんですよね。
世の中が変わるときは世代が変わる時期と考えていまして、
古紙業界=かっこいい、そうできるように努力です!
R.新井さんのされていることを●●業です。と説明するとしたら
どのように表現されますでしょうか。
A.目利き、です。
大事なのは、有価物か廃棄物か、
つまり売れるモノ、売れないモノを見極める力です。
ゴミの山からいいモノを発掘する。
動画制作に置き換えると、相手の魅力を見つけるということです。
人を集める際にも目利き力は要りますし、
廃棄物・有価物など品目が多岐にわたっている中で、
今後必要になってくるのは、目利き、です。
ただ、そこにおいても、白か黒か、ではなくて
その間の存在も認める、そのゆとりは必要です。
(編集後記)
様々なことに取り組まれていながらも、
最終的には「目利き」が大事、というお言葉が非常に印象に残りました。
新井さんの今後の紙業のアップデートや、環境と人の取り組みが楽しみです。