ファッションを愛する人がよりファッションを楽しめる世界をつくる~MODALAVAの桂さんに聞いてみた~(後編)

ファッションを愛する人がよりファッションを楽しめる世界をつくる~MODALAVAの桂さんに聞いてみた~(後編)

前回は桂さんの起業の経緯、
アパレル産業やリユース産業への想い、お考えについて
お話いただきました、

引き続き、桂さんのお考えについて
教えていただきました

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MODALAVAさんHP
https://www.modalava.com/

MODALAVAさんインスタアカウント
https://www.instagram.com/modalava/

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R:REUSED
M: MODALAVAの桂さん

MODALAVAの桂さんに聞いてみた

R:国内でも「高く買います」というようなうたい文句の買取サービスが
多くありますが、どのようにお感じでしょうか、

M:買取金額に納得するヒトって、基本的にはほぼ皆無、と私は考えています、
買取をしてもらう際に、売り手側の商品には思い入れも含まれます、
一方、買取事業者はあくまで物質に対する買取価格の提示を行います。
そこに買い手と売り手の商品に対する見方のズレがあり、
思い入れの詰まったものに対して、買取額をいくらで提示しても、
なかなか納得感は得られません、むしろ売り手は、買取価格より、
一言でも商品に関する思い出を語らせてくれ、それを求めているかもしれません。
リユースアイテムにおいて、ストーリーは重要ですよ。
実際にうちのポップアップでは、モノにまつわるストーリーを添えて
販売を行ったところ、市場価格よりも全然高い金額にも関わらず、商品が売れました。

R:そういう見方をしたことは無かったですね、たしかにな。。。
海外経験もある桂さんからみて、日本のファッションはどうですか?

M:日本のファッションはユニークだし、オシャレに対してもみな寛容です。
海外に住んでいた時、オシャレしているだけで粋がっていると見られました。
LAでもVANS履いているだけで、ですよ。
日本は上のTPOの例はありますが、日常的なオシャレについて基本的に何も言われません。それはいいですね。
ただ、流されやすいですよね。服を選ぶ基準としては、自分がこれが似合うからと決めている。
その自分に似合う、の前段にその時々のトレンドがありますね。

R:昔のアメ村でしたり、私が状況した十数年まえの原宿なんかも
元気な原色の方々が居ましたが、最近はそこまで見かけませんもんね、
個性といった切り口でみると、これからはどうなりそうでしょうか?

M:日本人は小さいコミュニティをつくることに長けており、
それを活かした流通の仕組みがつくれればいいのでは、と感じます。
AIでトレンドを生産に反映させるなど、テクノロジーの活用も進めて、常にマス化させない努力が求められると感じます。
例えば、ユニクロさんは、マスのように捉えられますが、多様性の集合体なんですよね、
単発でコラボをしたり、素材の研究をしたり、裾上げの効率を追求したつくりにしていたり、アプリを活用していたり、
1つの大きな会社というわけではなくて、まさに小さなコミュニティの集結した会社であると私は見ています。
ESG投資などもすでにスタンダードとなってきており、
サステナビリティは2、3年以内にマストとなると思います。
そこにおいてテクノロジーが重要な役割を果たすのではないでしょうか。

R:少子高齢化がファッション産業に与える影響はいかがでしょうか?
ホットになりそうなセグメントなどありますでしょうか?
ご高齢の方についてはいかがでしょうか?

M:子供服については、つくられなくなってきましたね、量販店でみかけることも少なくなりました、
元々、子供服は同じデザインで7サイズつくらなければならない、など、効率という観点でみると、
難しさのある商品なんですよね、今、本当に納得のいく子供服はないですね。。。
今の高齢の方々は、元々家で服を作っていた時代の方々で、服に拘るヒトはとことん拘っています。
テクノロジーの発展により、そのような方々の発信も増えています。

R:子供服の例でいうと、先ほどのコミュニティとう話でいうと、入り口に納得感ある子供服を準備して、
そこにコミュニティを創り上げる、という手もありかもしれませんね、
情報過多の時代になり、セレクトショップのプレゼンスも減じており、
また、ライフスタイル全般を提案するブランドが増えている印象ですが、
境界線は以降もなくなり続けるのでしょうか?

M:行きつく先が服、家具、食事、となるのは、当然と言えば当然ですよね、
その中で、モノづくりももちろん大事ですが、ブランディングやマーケティングにより
自分たち自身の世界観をしっかりと伝えていくことですね、
そのためには、自分たちが何のために、事業を行っているのか、という点を自覚する必要があります。
これは先ほどのコミュニティの話にも通ずる部分はあります。

R:最近「おっ」っとお感じになられたことについてお教えください
また、これからのビジネスのキーワードについて教えてください!

M:自分自身、ここ最近でこれまでの自分自身の学んできたことを
アンラーニングするタイミングがありました、思っていたより難しいですね、
サステナビリティ、原価としてのマーケ費用、循環経済、オーバーシュートしない経済
このあたりでしょうか、環境に関することでいうと、
やはりマジョリティを動かす、という必要もありますよね。
一部の関心のある層だけが、行動しているうちは、まだ変わらない。

R:2030年、世界はどのようになっていると思われますか?

M:そんなに変わってないんじゃないですかね、
リユース業界も、全体的に見てもテクノロジーやCtoC市場にあおられながらも、
何とか踏ん張っているんではないでしょうか。
人口動態でいっても、今の人口の真ん中が49歳、
10年後の真ん中の年齢はさらに上がっていますので、大きな変化は置きづらい状況にあると
私は見ています、環境的に、大きな外圧がかからない限りは。

R:今後の野望について教えてください

M:元々ITを活用して、モノづくり、モノの循環、ここに貢献できればと考えていました。
中古の仕入やトレードといった点については、仮説と検証もかなり進んできています、
アパレルのDXについて、フロント部分は比較的進みやすいですが、
バックエンドの生産管理などについては、なかなか進めにくい、という現状があります、
事業会社として、ものを循環させていく中で得られる知見、
自分が培ってきたITの知識、技術力を生かして、そこに切り込んでいきたいと考えています。

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(おまけ)

R:最近の異常気象について想うところをお教えください

M: 個人的には自然に関しては神の采配かなという考えですが、
その中で人がどんな位置でどんな意味を持って生きていくかを考えることはとても大事だと思っています。
より多くの人の考える機会になっているのかもしれないですね。

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桂さんも、またターニングポイントを
迎えられているようで、

今後の桂さんの動きからも
ますます目が離せません・・・