PR TIMESでKIMONO SUIT 凛都(RINTO)さまの「8兆円の埋蔵着物再生プロジェクト」最盛期生産量1%以下の大島紬を現代女性のビジネスウェアに、というタイトルが目に留まりました。お着物を使ったアップサイクルの取り組みは以前の山村さんをはじめ様々ありますが、ビジネスウェア(スーツ)にという事業はこれまでに聞いたことがなく、取材の依頼をさせていただいたところ、快諾をいただけました。「1分で纏える伝統」、1着1着が異なるヴィンテージ生地から生まれるスーツは、誰かの真似をして生きるのではない「オンリーワンのキャリア」の象徴、などプレスリリースの記事の中にも素敵な表現がいくつも見られます。その凛都(RINTO)の東城さまに、お話を聴かせていただきました。

KIMONO SUIT 凛都 さまHP
「8兆円の埋蔵着物再生プロジェクト」最盛期生産量1%以下の大島紬を現代女性のビジネスウェアに
T.凛都(RINTO)東城さま
R.REUSED
気軽に着物を楽しんでもらうために、から生まれたスーツ
R.かんたんな自己紹介をお願いします!
T.東城です。⾧野で育ち大学は東京、就職で⾧野県に戻り、会社勤めをしてきました。大きな会社ではなかったので、採用、総務、人事、広報などバックオフィス業務全般を担うなどの経験も積みました。退職後、独立中小企業診断士として、中小企業の経営戦略のお手伝いをする中で、「正論を言うだけでなく、自分自身でも事業を回したうえでアドバイスをしたい」と考えるようになったのが原点です。私はアパレル出身ではなく、元々着物が好きで、洋服感覚で日常的に着ていました。着物を着ていくと周りから注目もされますし、周囲の印象にも残りやすいです。でも同時に、「こんなに素晴らしい着物を多くの人が着られないのはもったいない」と感じていました。
R.どのような経緯でKIMONO SUITは生まれたのでしょうか
T.最初は、気軽に着物を楽しんでもらいたいということで、着物のレンタル事業を検討し、着物を簡単に着れる状態をつくろうと動いておりましたが、髪型やお手入れ、イメージの湧きにくさなどハードルが高く一度断念しました。私は織りや刺繍を見ると心が躍ります。みなさんが洋服をあれこれと選ぶ際と同様ですね。この感覚をもっと広めたい、分かってくれる人はいそう。より身近に感じてもらうために、洋服という切り口で何をつくろうかと考えた末にスーツに行き着きました。私自身、スーツを着る機会も多く、そのスーツ素敵ですね、と言われる状況をつくりたかったんです。女性は公式の場でもスーツでないといけないなどの制約が少なく、であれば柄のスーツもありではないか、振袖のようなものだと派手すぎるが、大島紬であればフィットするのではないか、そのように考えました。
R.大島紬についてもう少し教えてください
T.大島紬はビジネスにも合いそうな色と織りで、本当に緻密で縦糸と横糸が組み合わさって柄が生み出されます。つくり方も手織りと機械織り双方あり、手織りの場合は織りにおける微妙なズレも味となります。着物リメイク=シニア層向け、というパターンが多いのですが、シニアの方ももちろんですが、着物に興味がない層にも目にしてもらえるように現代に合ったデザインにしています。

唯一無二の伝統文化を背負った洗練されたスーツ
R.凛都(RINTO)について、お始めになられたきっかけや、そのお名前の由来についてお教えください!お着物のもつパワーについても触れていただければと。
T.凛とした女性になってほしい。「凛」は芯が強い状態。「都」は洗練された社交の場をイメージしています。洗練された社交の場でこのスーツを着てほしい。着物を見ていると素敵という感情が湧いてくるし、職人の手仕事が生地からも伝わってくる。洋服という形になってはいるが、日本人として伝統文化を背負って生きているということが醸し出され自然と背筋を伸ばしてくれるんです。着物スーツを着ることで、その方の自信を増幅させることにつながればと。誰しも想い出のあるものは⾧く使いたいと感じるもので、着物+オーダーで特別感がさらに増します。それはまさにサステナビリティの本質ですね。
R.国内のタンスに8 兆円ものお着物が眠っているとは驚きでした。1 つ1 つのお着物づくりにかかる時間を掛け合わせると相当な財産が眠っているのですね。一期一会のヴィンテージというページを見て、その仕事の細やかさ、美しさに驚きました。私自身、元々靴職人を目挿していた過去があり今も趣味で靴づくりをしているので、職人さんへのリスペクトがあります。
T.嫁入り道具として着物が当たり前だった方々がタンスの中に眠らせていたり、捨てられずどうしようかと悩まれる方もおられます。その中にはスーツにも活用できるような状態の良いものもありますね。弊社にも着物を引き取ってくれないか、というお話がたまに来ます。大島紬は織りの緻密さ(マルキ数)、縦横の染色をどうするかにより、工程の手間がかわるため、その価値も変わります。機能的にも驚くほどの軽さと通気性が特徴です。洋服にするにあたっては、生地の時点では洋服にしても派手で着られないかもと思うものもありますが、洋服にすると意外と柄物でも素敵に仕上がります。まさに唯一無二の一着が出来上がるので毎回出来上がりが楽しみです。
R.仕立てるにあたっての素材というのはどのように手配しておられるのでしょうか。
T.大量にという仕入れ口があるわけではなく、着物の手配やネット、知人、周囲の方などから、が中心です。今は在庫過多にならないようなペースで進めているところです。

魅力を引き出し、キャリアを後押しできるように
R.私はここぞというときには、オーダーのスーツを着て、自分でつくった靴を履きます。それだけで背筋も伸び、姿勢がよくなりますし、無敵ゾーン、ではないですが気持ちの入り方も全く変わります。凛都(RINTO)でスーツをつくられたお客さまの反応はいかがでしょうか。どのようなシーンを想定してのご注文が多いのでしょうか?
個人的には国内ももちろんですが、海外に行かれる方にも着ていただきたいと感じました。世界に誇る日本のモノづくりの素晴らしさを示していただきたいと言いますか。
T.個人向けでは、すでにご予約は入っておりますが、まだまだこれからです。先行してホテル内ブティック販売のお話を進めています。春に出展した展示会では、面白いね、という反応も多くいただきました。大島紬ということで立ち止まってくださる方も。また、私は着物スーツが着物屋さんともコラボできるのではないかと考えています。着物を着る方の中には、例えばスーツのような装いをする際にも着物スーツのようなスーツを着たい、そのようなニーズがあるのではないかと。インバウンド関連のお仕事をされている方も興味をお持ちでした。着物スーツはかっこいい反面、一定の自信がないと着ることができない。着物スーツを普及させていく上では、まずはオピニオンリーダーやロールモデル的な方々に着てほしいですね。
R.東城さんが事業をされる中で、大事にされていること、考え方についてお教えください!また、東城さんの行動力の源泉がどこにあるのかもお教えください!
T.会社勤めの経験の中でも、ヒトの眠っている魅力を引き出したい。どのような人生を送ってきて、どのようなキャリアを描いていきたいのか、それが関心ごとでした。凛都(RINTO)の取り組みが着物業界全体だけでなく、働く方々のキャリアの背中を押すことにもつながり、様々なステイクホルダーの方々の価値を高めることに寄与できればと考えています。私の原動力はヒトとの関わりですね、ヒトと話すだけでも元気になりますし、新しい出会いからの新しいインプットなどもパワーの源になります。
R.事業を行われる中で気づかれたこと、お感じになられたことなどあればお教えください!
T.非常に実務的な話になりますが、着物をつかって洋服をつくろうとした際に、色々と苦労しましたね。一例を挙げると、生地の見極めやしゃがんだ際に破れないようにするためパターニングなど。実際に進めてみて初めて分かったことがいくつもあります。作ってみて、着物スーツはビジネスとしてやっていけるな、ということも確信できました。

女性を凛とさせる業、まずは年間100着
R.凛都(RINTO)さんを〇〇業と表現するとすると、何業になりますでしょうか?
T.「歴史を語る。私らしく、凛と。」というメッセージにもその意図を込めているのですが、日本の伝統の着物を使って、女性を凛とさせる業、女性をブランディングする業。伝統文化を今の日本に広め、着物を手段として、生産労働人口も減少していくこれからの日本において女性がもっともっと輝く社会をつくることが私の業ですね。
R.2030 年がSDGs のターゲットイヤーなわけですが、2030 年をどのような状態で迎えられていると御社にとってハッピーですか?今後の目標についてお教えください!
T.まずは年間100 着。1 年後くらいにそこを目指して進めていきます。そうすれば波及効果もあるのではないかと。着物スーツという言葉が浸透してほしいですね。着物スーツという言い方は記憶のしやすさを意識してのものとなります。着物スーツの認知が拡大し、着物生地のスーツってありだよね、その世界観の実現を進めます。まずは大島紬のおひざ元でもある鹿児島からか、などと考えてみたり。海外の方の中でも派手な柄に派手な色が好きな方もいれば、それじゃ物足りなくなってきた方は大島紬に魅せられるのではないかと。日本を代表して海外に行かれるような方にも是非着用していただきたいですね。影響力の大きい方にまずは着ていただいて、現段階で関心の無い層にこそ、着物生地のスーツってありだね、と着てもらいたいです。事業の持続可能性を高めるためには様々な層を取り込んでいく必要がありますからね。

(編集後記)凛都(RINTO)さんで1 着の着物スーツがつくられるまでに、果たしてどれだけの時間がそこには込められているであろうか、大島紬の歴史、持ち主の方の歴史、大島紬の制作時間、着物スーツに仕立てる工程、まさに歴史を着るといっても過言ではありません。今回はあまり触れてはおりませんが、大島紬をつくるのには途方もない時間が費やされています。着物スーツで気合を入れる、それが当たり前になる日が楽しみです!

