まず考えるべきはスタッフの働きやすさ。売上目標は設定しない。「価値あるモノを救い出せ」「好きを極めるお手伝い」を体現する石川社長に話を聴いてみた

まず考えるべきはスタッフの働きやすさ。売上目標は設定しない。「価値あるモノを救い出せ」「好きを極めるお手伝い」を体現する石川社長に話を聴いてみた

今回は、鉄道模型などを専門にリユース事業をしておられる株式会社ホンポズの石川社長にお話を伺いました。竹島水族館という愛知県の蒲郡にある水族館への冷蔵庫の寄付の記事をPR TIMESで拝見させていただき、取材のオファーをさせていただいたところ、快諾をいただけました。事業を行う上で大事にしておられることや、ローカル路線のネーミングライツの件など、様々な質問をぶつけみてみました。

【株式会社ホンポズさまHP】

鉄道本舗は鉄道模型(NゲージやHOゲージ)や鉄道部品、鉄道書籍、時刻表、鉄道絵葉書、硬券、鉄道DVDなど鉄道に関する全てを高額買取いたします。1点から大量買取ま…
tetsudohonpo.com
組立本舗は全てのプラモデルを買取いたします。1点から大量買取までどれだけでもお任せ下さい!【無料全国出張買取】【無料宅配買取キット】ぜひご相談ください。
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【PR TIMESの記事】

株式会社ホンポズ、地元の人気スポット「竹島水族館」へ冷蔵庫を寄贈 — 7月30日に贈呈式を実施

株式会社ホンポズのプレスリリース(2026年7月31日 11時00分)株式会社ホンポズ、地元の人気スポット「竹島水族館」へ冷蔵庫を寄贈 — 7月30日に贈呈式を…
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【恋と言うから愛に来た。】恋山形駅のトイレ整備を応援、副駅名に鉄道本舗が誕生

株式会社ホンポズのプレスリリース(2026年3月3日 14時15分)【恋と言うから愛に来た。】恋山形駅のトイレ整備を応援、副駅名に鉄道本舗が誕生
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「鉄道買取は鉄道本舗」が長良川鉄道 美濃太田駅(岐阜県美濃加茂市)の副駅名にーー

株式会社ホンポズのプレスリリース(2026年7月13日 13時00分)「鉄道買取は鉄道本舗」が長良川鉄道 美濃太田駅(岐阜県美濃加茂市)の副駅名にーー
prtimes.jp

I.ホンポズ石川さま

R.REUSED

転機となった運命の400万円分の仕入れ

R.まずは自己紹介と御社のご紹介をお願いいたします!

I.株式会社ホンポズと申します。鉄道本舗という屋号で、鉄道模型や鉄道部品などを中心とした買取・販売を行っております。買取は、代表の私が日本全国へ出張に出向いて集めてくる出張買取と、宅配買取で対応をさせていただいております。販売は実店舗はなく、全てインターネットオークションで販売をさせていただいております。元々はネット古書店出身でしたが、その商売がなかなかうまくいかず、鉄道好きだったということもあり、鉄道模型に特化したかたちとなります。当初はお金もなく、プラレールの大量セットをヤフオクで購入し、編成を組み替えるなどして販売していましたが労力の割に利益にはつながりにくかったです。

R.そんな時期に運命的な出来事があったとか?

I.はい、業者向けの古物市場で鉄道関連アイテムが4トン販売に出されるいう出来事があり、400万円ほど仕入れを行いました。2週間後の支払いのタイミングまでに販売し切ってしまえば、支払いは大丈夫だろうと。通常落札の後日に商品は持ち帰るのですが、

その際は当日に商品を持ち帰らせてもらい、戻り次第、寝ずに販売を行いました。女性のパートさんも今が勝負時だと察してくれて、主婦なので、一度帰宅しご飯の準備をして、再度会社に来て作業にあたり、と結果的に900万円ほどの売り上げをつくることができ、

返済額を除いても500万円ほど利益が出ました。それをHPや広告費などの投資に充てましたね。それが転機でしたね。

R.改めて、今回の竹島水族館さまへの餌保管用の冷蔵庫の寄付の件の経緯についてお聞かせいただきたいです。

I.竹島水族館の Facebook 投稿を見ていたところ、既存の冷蔵庫が壊れてしまい、同じくらいの大きさを持っている方で、ちょうど買い替えなどをするタイミングの方はお譲りください。と言う内容の投稿がありました。同じくらいの大きさの冷蔵庫は持ってませんが、同じ蒲郡の竹島水族館が困っていると聞いたら黙っていられなくて、ならばいっそのこと新品を寄付させていただこうと思い、志願させていただきました。スタッフさんにとって、使いやすく、使える良いものを選んでくださいと。竹島水族館にはうちの子どもと言っていた記憶もあり何かお力になれればとの一心で、ですね。

R.石川さんの寄付へのお考えに影響をもたらした方がいらっしゃるとか?

I.これは愛知県の経営者の集まりにおける先輩の影響が大きいです。その方は児童養護施設の出身で、その後清掃業で成功をおさめられたのですが、毎年、施設に寄付をしておられます。トイレ詰まりの修理や、餅つきなどの日本の文化の体験など。その方曰く、寄付とはするものではなく、させていただくもの、受け取っていただけるからこそさせていただけるものである。と。その言葉を聴いて感銘を受けまして、それ以降私も寄付させていただく、という表現とさせていただいています。また、竹島水族館の話もそうですが、小さな規模の会社でも貢献できる方法があるということを発信を行うことで示すことができればとも考えています。

お客さん第一ではない、その真意は

R.石川さんはお客さん第一主義ではないとお話しておられましたが、その真意についても教えてください。

I.お客さんはもちろん大切な存在でありますが、経営者としてまず考えるべきはスタッフの働きやすさではないかということです。竹島水族館の寄付の例も然りですが、お客さんと接する機会の多いスタッフの働きやすい環境を提供することを追求し、スタッフにお客さんのことを考えてもらえればいいのかなと。

R.なるほど。御社はスタッフさんが皆女性ということでお客さまにも驚かれるのではないでしょうか。

I.鉄道模型というと男の世界というイメージですよね。ただし、毎日鉄道模型に触れていると変わっていくんですね。変に知識があるよりは、真っ新な状態で鉄道模型を覚えてもらう方がよい、というところに行き着きました。売り買いするための鉄道模型の知識を獲得してくれるんですね。お客さんもびっくりされます。先ほどの働きやすい環境という点でいうと、お客さん商売をしているとどうしても、写真と実物が異なっているなどの

クレームも発生しますが、その場合もエスカレートしそうな案件については、すぐに弁護士に各スタッフが相談できる体制を構築していまして、スタッフの負担を減らせるようにしています。朝礼などもまとまりをつくる上では大事ですね。

どうにかしたい、という思いでの防犯カメラ寄付

R.副駅名のネーミングライツでしたり、蒸気機関車への防犯カメラの寄贈などのお取り組みも非常に印象的で、それらのお取り組みもどのような経緯で行われることになったのか、お教えいただけますと幸いです。

I.1番最初に防犯カメラを寄付させて頂いた西尾市の C12 230 蒸気機関車の防犯カメラは、数年前に西尾市で鉄道のイベントがありまして、そのイベントの際に、西尾市のC12 230蒸気機関車を守る会の方々とお話しする機会があったのですが、部品の盗難に困っていたり、いたずらをされてしまうということを耳にしたので、どうにかしたいという思いで寄付を希望させていただきました。この西尾市の蒸気機関車も、私自身が小学生の頃、夏休みに絵を描く会の題材で蒸気機関車の絵を描いたりしていたので、蒲郡の水族館もそうですが、なじみのあるところを救いたいというのがあるかもしれません。私も鉄道ファンとして分からなくもないのですが、とっている行動は良くない行動ですが、猛烈なファンは周囲が見えなくなってしまうんですね。。。

R.ネーミングライツはどのような経緯だったのでしょうか。

I.恋山形駅という智頭急行の駅が、あるラッパーの方のSNS投稿でバズっていまして、その駅が副駅名を募集していたんです。意外と競合もいませんでした。「恋がかなう駅」「縁結びの駅」として知られている駅ですね。その智頭急行の駅に看板広告が出せる。このような取り組みはすぐに買取などの依頼につながるわけではありませんが、このような取り組みをしている会社にお願いしたい、そう思っていただける会社への信用につながればと。

R.私も世の中から相見積もりをなくす、とテーマに取り組みをしているので非常に共感です!

I.買取という点では弊社は高価買取は謳っておらず、HP上にも買取額をそのまま掲載させていただいています。うちのスタンスに合わないお客さんには返送します、とお伝えもしています。買取金額のみではない部分で選んでくださるお客さんとの関係づくりを行うことが事業の持続可能性につながります。

価値あるモノを救い出し、好きを極めるお手伝いを行う

R.「好きを極めるお手伝い」という御社のビジョンがありますが、それを象徴するようなエピソードがあればお教えいただきたいです。

I.私自身、名鉄電車という愛知県を代表する私鉄の、特に7000系パノラマカーが好きで、その名鉄が開催する鉄道部品のオークションイベントなどにも伺うんですが、やっぱり鉄道部品や模型が好きな人って、本当に命をかけて集められてるんです。自分自身もそういうふうに好きで集めているので、そういった集められている人たちの気持ちが分かるんです。やっぱり鉄道部品や模型って、この世に1点しかないものとかも存在するので、そういうものが捨てられてしまったり、なくなってしまうと、もう二度と手に入ることがないのです。「価値あるモノを救い出せ」にはそのような想いを込めています。

R.価値ある鉄道部品などが廃棄に出されてしまうケースなどもあるのでしょうか。

I.鉄道模型はまだ価値があると分かりやすいですが、鉄道部品などはぱっと見で何なのか分からないゆえに、買取の現場でも捨ててしまったなどのお声を聴くこともあります。

私自身、名刺も切符型にしていまして、それを見てお客さんも色々と話してくださりますね。そういった貴重な模型や部品を救い出して、また次に必要とされている方へつなぐという意味で、「好きを極めるお手伝い」というビジョンを掲げさせていただいております。

販売においては、海外販売なども最近は検討していますが、鉄道部品は国内に残ってほしいですね。

R.一人一人が会社を舞台に主役となるというフィロソフィーや、ロゴに込められた想いも拝見いたしました。社内にはどのような方々がおられるのでしょうか。

I.うちの特徴は全員が女性スタッフなんです。社員さん3名、パートさん7名。皆さん主婦の方々で、小さいお子さんがいらっしゃる方が多いんです。小さなお子さんをお持ちの方々って、それこそ家庭に戻ると「〇〇君ママ」とか、そういった子どもの名前のお母さんみたいな、なんかそういう呼ばれ方をしたりしていて。でも、主婦の方々はすごく真剣に仕事を頑張ってくださるので、そういった方々がもっと活躍できて、主役になれる場所を作りたいと思って、このフィロソフィーを掲げています。皆さん大卒であったりと非常に優秀で、このような方々が狭い世界に閉じ込められているのがもったいない。例えば、子供が費用のかかる医療系の大学に行きたいといった際にも収入の関係で諦める、そのようなことがないように自分たちの価値を高めようとモチベートしています。

働き方にも週3でOK、突発休もOKなど柔軟性を持たせています。

成長を実感したポイント

R.売上目標などは設定しておられないと聴きましたが?

I.今月売上いくらつくるぞ、というような目標も掲げていません。会社=もっと利益を出す、となるとやりたいことと、やらなくてはならないことが変わってきます。スタッフにはノルマなどを課していませんし、各自が働きやすい働き方が提供できればそれが一番です。次も10月あたりに中南米に冒頭でお話させていただいた先輩と20日間ほど行く予定なのですが、そのようなタイミングもスタッフの成長の機会になればとワクワクしています。20日間というのも実はチケットの買い間違いでして、それもスタッフには共有しています(笑」。その20日間何が起きるだろうか。。。

R.最近あった嬉しかったことについてお教えください。

I.7月25日が私の40歳の誕生日でした。今年(令和8年)は7月25日が土曜日になってしまったので、前日の24日に誕生日会を開いてくれたんですが、大きなケーキやオードブルと、誕生日を盛り上げてくれるバルーンなどの飾り付けもあったりして、こういうことを積極的にやってくれたっていうことがすごく嬉しかったです。そこで採用インスタの企画もあって、それと合わせて撮影をしていたんですが、その際に誕生日のインタビューということで、「成長したなと思う瞬間はなんですか?」と、いうことを聞かれたんですが、自分自身の成長を正直あまり何も感じてないところではあります。ただ、スタッフの方々が本当に自分から動いて、考えて、行動してくれるようになったっていうことをここ数年ですごく感じていて、そこがすごく成長したポイントだと思います。逆に、そういった成長を感じられるようになったっていうところが、自分自身の成長なのかな?と感じます。

R.地域をとても大事にしておられる御社のお考えになられる地域における企業の役割についてもお教えください。

I.寄付をさせていただいてるのが、それこそ防犯カメラだったり冷蔵庫だったりですが、あんまり地域にこだわりはないかもしれないなと思ってます。それこそネーミングライツの場合、智頭急行の恋山形駅や長良川鉄道の美濃太田駅など遠方の地域でもあったりするのですが、企業として応援させていただきたいと感じるところに、申し出をさせていただきたいと思っています。

価値は買取価格だけではない

R.大事にするという点では、私はヒトがモノに対してもっている想い出、思い入れを大事にする取り組みを行っています

I.非常に共感です。実際にお客さんのご自宅に伺うと、鉄道模型の想い出を皆さん楽しそうに話してくださいます。量が多い場合はお品物をお預かりして査定を行うため、お預かりの作業自体はすぐに終わるのですが、ずっとお客さんの話をうかがわせていただいています。話をしているうちに仲良くなり、「そろそろお昼だから」と焼きそばをつくっていただいたり、帰り際にはお茶やお菓子をたくさんくださったり。「石川さんが世の中に送り出してくだされば、それでいいんです」とおっしゃってくださる方も少なからずおられます。買取価格も要素の一つではありますが、それだけではないんですよね。

R.2030年がSDGsのゴールイヤーということになっております。御社にとって2030年をどのような形で迎えられるとハッピーでしょうか。

I.特段 SDGs とか、そういったことは意識していなくて、自分自身がこうやって寄付をさせていただく活動だとか、ネーミングライツだったり、CSR 活動だったり、YouTube で発信をさせていただくのって、会社規模関係なく社会の役に立てるよ!っていうことを伝えていきたいと思っていますし、もっとこういう社会貢献が広まってほしいと思っています。そのために自分自身が可能な限り発信し続けないと埋もれてしまうと思っているので、もっとどんどん発信・展開をしていきたいです。それこそ会社が大きくなれば、応援させていただける幅も広がってくると思うので、継続的に続けていきたいなと考えております。

R.御社がやっておられることを〇〇業(職種的なカテゴリーではない)と表現するとしたら、どのように表現できそうでしょうか。

I.対外的には「好きを極めるお手伝い」ですが、社内的には教育業であると考えています。

主婦の方々が輝けば、子供も輝く。母さんが仕事楽しいと言っていると言っていると子供たちも早く大人になりたいとおもってくれる。主婦の方が輝くためには社長自身も輝いていなくてはならない。社長って楽しいぞ、と。弊社を卒業し、他の企業に移った際にもホンポズで働いていたなら即戦力だな。と言ってもらえるような人財を育成したいですね。

(編集後記)

私も生まれてこの方、スニーカーを1000足以上買ってきた人間でして、お客さんへの接客の中でも、好きな対象は異なれど、何かを好きという気持ちは共通しているわけで、

好きへのリスペクトを込めて応対させていただくことで、非常に喜んでいただけた記憶があります。スタッフさん第一主義というのはまさにその通りだなと。ESの先のEH(従業員幸福)だなと。「価値あるモノを救い出せ」とはお品物だけではなく、働くスタッフさんのことも表しているのではないかと感じた次第です。各スタッフさんの尊厳を尊重し、それが自発的な行動にもつながる。そこでの成功体験が次の行動へ。文章には含めておりませんが、人生における無駄(余白)の重要性など、大いに盛り上がる取材となりました。